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高金利レポート②メキシコペソ 上昇トレンド再開への正念場

【ペソ/円ファンダメンタルズ スタグフレーション懸念と利上げ期待】
1月31日に発表されたメキシコ10-12月期国内総生産(GDP)は前期比-0.1%となり、市場予想(-0.3%)は上回ったが、7-9月期の-0.4%に続いてマイナスとなった。2四半期連続のマイナス成長は定義上の景気後退(リセッション)となる。もっとも、新型コロナウイルスの感染拡大という原因が明確であり、今後は米国経済の回復に引っ張られてメキシコ経済の回復力も高まるとの見方は根強い。市場ではリセッション入りに対するネガティブな反応は特に見られなかった。ただ、メキシコでもインフレが高進しており、12月消費者物価指数(CPI)は前年比+7.3%台に加速した。スタグフレーション(不況下の物価上昇)への懸念もくすぶっている。こうした中、2月10日にはメキシコ中銀が政策金利を6.00%へと引き上げるとの見方が多いが、インフレ率を下回る水準での利上げだけに、ペソ相場を大きく押し上げる公算は小さいだろう。なお、今回の金融政策決定会合は1月に就任したロドリゲス新総裁にとって初会合となる。市場は、新総裁のスタンスが「インフレ重視のタカ派」か「景気重視のハト派」かを見極めようとしているようだ。

【メキシコペソ/円テクニカル 上昇トレンド再開への正念場】
52週移動平均線は右上がりも、13週移動平均線と26週移動平均線は5.50円付近で交錯しながら横這いの状態。ただ、現値はいずれの移動平均も上回る水準にあり、このまま推移すれば13週、26週線も比較的早い段階で右上がりに向かいそう。各移動平均線がいずれも上向きで、上から、現値、13週線、26週線、52週線の順に並ぶ「パーフェクト・オーダー」の示現も視野に入る。強い上昇トレンドを示す「パーフェクト・オーダー」の示現に向けて、目先の数週間が正念場になると見られる。

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【ペソ/円当面の注目材料 中銀会合、インフレ率、イラン核合意】
10日のメキシコ中銀金融政策決定会合が最大の注目点。上記の通り、ロドリゲス新総裁の政策スタンスに市場の関心が集まっている。また、中銀会合の前日9日には1月CPIの発表が予定されている。その他、メキシコの主要輸出品である原油は足元で上昇が一服。イラン核合意の再建に向けた協議が始まった事で、原油供給が増加する可能性が意識された。大詰めを迎えたと見られる協議の行方と原油相場の動向が注目される。