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ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN(2019年/日本)感想 誇張無しにこれはシリーズ最高傑作。


全12話が全て劇場版クオリティだった驚愕のシリーズ第3期。


〘ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN〙

ストライクウィッチーズRtB画像

画像引用元:http://w-witch.jp/strike_witches-rtb/


以下、一部ネタバレを含む感想記事です。


■ストーリー

ネウロイに占領された帝政カールスラント首都ベルリンを奪還するべく、第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズが再結成され、ネウロイに立ち向かう。



■内容(ネタバレ無し)

1期2期劇場版で描かれたメインストーリーと、OVA3作品や"ブレイブウィッチーズ"、"501部隊発進しますっ!"などのサイドストーリー、スピンオフなどアニメ作品だけでも今や相当な数がある本シリーズ。

ワールドウィッチーズシリーズとしては新作”ルミナスウィッチーズ”も控えていてまだまだ展開が続く訳ですが、本作RtBはいわゆるご本家ストライクウィッチーズの第3期に当たります。


第1期から実に11年も経過している作品の3期なので、いわゆる惰性続編の香りが漂いがちな印象なんですが、このRtBは第3期にして最高傑作と言っていいほどの異常なクオリティに仕上げられていて驚愕しました。

マジでたったの1話も捨て回が無かったと思いましたし、その上でシリーズ伝統の緩衝的なコメディ回もしっかり挟み込んでいたり遊びも忘れていませんでした。端的に言えばシリーズの完成形のような印象すらあります。


主人公宮藤芳佳と○○といった、これまでの構図から少し変化している点も3期ならではの面白さがあります。

501の面々に今まで以上にフォーカスした内容でしっかりキャラクターの変化を描きつつ、本筋となるベルリン奪還作戦までの道のりも進めていく物語構成となっていました。

ペリーヌとバルクホルンの変化が特に顕著で、とくにバルクホルンの成長はRtBの見所の多くを占めていた気がします。カッコいいシーンが多すぎ。


芳佳ちゃんが劇場版の一件以降で魔法力が安定しない状態になっている事もあって活躍する場面は減っていますが、501部隊全員で戦っている事がより強調され、チームの絆が濃く描かれていたと思います。


戦闘シーンの迫力が圧倒的でした。

これまでのネウロイよりも明らかに強敵感が強調されたものが多数登場しますし、人類全体の脅威としての威厳を無事に取り戻している感があります。

作画レベルが異常に高いのも見所だと思います。




■感想(ネタバレ有り)


坂本さん第一話で引退からの圧倒的メンター感全開バルクホルンの安心感が凄まじかったRtB。

そもそもカールスラント組が濃いめに描かれるのはベルリン奪還がメインストーリーにあるので当然ではあるんですが、それをキャラクターの成長と組み合わせて自然に描き切れるのは、やっぱりこれまで描いた物語の下地があったからこそなんでしょうね。

墜落して行方不明となったハルトマンを救出するためにバルクホルンが超本気を出す第6話や、命を投げ出してでも仲間を助けようとする第9話のミーナなど、これまで以上にシリアスにかっこよく胸アツなストーリーが多い点が凄く好きです。マジでアツい話が多い。


劇場版で初登場し、今作から501に正式加入した静夏の存在もデカかったです。

命令無視に定評のある芳佳ちゃんの後輩でありながら、軍属意識が超強いこともあって中々本心から行動できなかった静夏が、最後は芳佳ちゃんを助けるために命令に背いて仲間の為に戦う展開、物凄く見えてたストーリーなんですけど、そのベタさが心地良いです。


その上でネウロイビーム直撃して瀕死の静夏を救うために、魔力枯渇した芳佳ちゃんが覚醒するまでの終盤の展開も、王道展開と言えばそれまでですが、ここに至るまで部分的にしか活躍シーンが無かった主人公芳佳ちゃんのファイナルバトル感が爆発してて、もうなんか凄く凄いんです。


あとRtBはシリアスな戦闘シーンと日常シーンのバランスが整ってる気がします。

5話のほっこりした日常を突然破壊してくるネウロイだったり、8話のサーニャとエイラのサトゥルヌス祭を目前にした痴話喧嘩回であったり、色々なシチュエーションを用意しながら、ウィッチの日常とネウロイとの戦闘、キャラクターの成長を上手く各話毎に描いている印象で観ていてずっと新鮮な気持ちでいられます。

例えばペリーヌなんて特にOVAで一回ウルトライメージチェンジ成功してるわけで、その状況で今回の第5話はペリーヌの表面的なツンツンキャラの裏側を更に掘り下げにいってたりとか、これまでのシリーズでのイメージを考えた上での見せ方の変化が盛り込まれている事が多くて、それがとても楽しめました。



あと今作ではパットン将軍を中心として、ウィッチ以外の軍属の掘り下げもちょっと頑張っていた気がします。

これまでのシリーズでは無茶ぶりばかりして美味しい所は持っていきたい連中っぽく描かれていたウィッチ以外の軍属も、今作ではかなり寄り添うような描写が増えていました。

サプライズ登場した対ネウロイ用にカスタムされた陸上戦艦ラーテで、空のウィッチを地上から支援したり、ネウロイの巣に対して航空爆撃から地上支援を展開してウィッチに突破してもらう流れだったり、人類全体でネウロイに立ち向かっていた事を思い出させてくれました。

てっきりラーテも、これまでの超兵器シリーズみたいに謎技術で最後は暴走しちゃうのかと思ってたので最後まで味方で安心しました。


第8話の巨乳化回もこれまで以上に頭おかしくて好き、あれ箸休めかと思ったらマッドネスが過ぎる。


■〆

個人評価:★★★★★

過去最高の熱量で描かれた第3期でした。

作画もストーリーも本当に高いクオリティで描かれていますし、これまで描かれた物語や背景、キャラクターを更により濃く掘り下げつつ、新たな一面も楽しめる構成で、ずっとシリーズを追ってきたファン的にはこれ以上ないくらい楽しめる作品でした。

ではまた。

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