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多摩地名の由来 人里(へんぼり)

 東京都唯一の村である、西多摩郡檜原村。秋川が南北に分かれる檜原村役場付近から檜原街道を走ることしばらく、周囲を森林に囲まれた人里地区があります。

 この人里こそ、知る人ぞ知る難読地名で「へんぼり」と読みます。由来は諸説あり、文化・文政期(1800年代初期)に編纂された『新編武蔵風土記稿』には、「人」の字は「へ」の誤りで、「へんぽつり」から「へんぼり」となったと記されています。また人里は古墳時代に近畿地方から渡来人が移住してきたと考えられており、蒙古・朝鮮語系の人と里を意味する言葉が変化したという説もあります。

 標高は500メートルほど、空気がひんやりとしており夏でも冷房要らず。山々の緑の木々に心洗われる、とても都内とは思えない環境ですが、八王子、あきる野からなら自動車で1時間足らず。檜原街道をそのまま西進すれば、数馬の湯、都民の森などの観光スポットもあります。  

(『よみうりSunTAMArea』2013年7月号)

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