多摩地名の由来　横山町

　現在の八王子の中心街といえば、ＪＲ八王子駅から北側に放射状に広がる一体ということになりますが、かつては甲州街道（現在の国道20号線）に沿って、八王子宿は栄えました。
　八王子宿は八王子十五宿とも呼ばれていたように、街道に沿って15の宿が連なっていましたが、本陣、脇本陣を持つ最も中心的な宿場だったのが横山宿です。なかでも現在の横山町交差点付近が宿の中心で、横山町郵便局のあるあたりに本陣があったとされます。八のつく日に市の立った、お隣、八日市宿（現在の八日町）とともに、四のつく日に市が立ち多くの人で賑わったといわれています。
　現在も国道20号線沿いに商店が立ち並び、中心市街地の一部を形成していますが、当時の面影はなく、横山町という地名が街道一の規模を誇った八王子宿の本宿があったことを今に伝えています。　　　　　　　　　　　　（『よみうりサンタマリア』2014年3月号）