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多摩地名の由来 由木

 八王子市の南部、大栗川の上流域にある由木地区。かつての由木村にあたる地区で、1964年に市域に編入されるまでは、西南北を山に囲まれ、大栗川沿いの平地に水田や田畑が広がる、静かな山村の趣が広がっていました。70年代に入り、都心から大学のキャンパスの移転が相次ぎ、80年代末には京王相模原線が開通。多摩ニュータウンの市街化区域に指定され開発が進められたこともあり、ファミリー層の多い活気溢れる街並みが広がっています。
 地名は平安時代後期から鎌倉時代にかけて八王子を治めていた横山党の一族、由木氏に由来するという説のほか、コウゾ(クワ科の植物、和紙の原料)の皮の繊維を蒸して水にさらし、細かく割いて作った糸を木綿(ゆう)といい、木綿をとる木が生えている土地、「ユウキ」が転じて、ユギとなったという説もあります。
 由木地区は現在の町名では上柚木、下柚木になりますが、こちらは木偏のついた「柚」が使われています。これは地名の由来が諸説あることと関係しているのかもしれません。(『よみうりサンタマリア』2014年6月号)


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