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多摩地名の由来 新町

新町 (11)

 北側を国道20号バイパス(北大通り)、南側を甲州街道に挟まれた静かな住宅地である新町一体。かつては八王子宿の東の端に位置していたことから竹の鼻(=入口)と称され、湧き水を利用した撚糸が盛んな商業地域でした。15あった八王子宿のひとつですが、竹の鼻稲荷の別名がある、鎮守の永福稲荷神社の脇に十王堂があったことから、十王堂宿とも呼ばれました。1882年の町村分合による八王子成立で、八王子新町となりました。
 永福稲荷は甲州街道の入口として、江戸からの往来客による信仰が厚く、寄進された鳥居、天水桶が現存するほか、宝暦6年の再建落成の際に、相撲を奉納したとされる八王子出身の力士、八光山権五郎の像があります。例祭はしょうが祭と呼ばれ、9月の第一土曜日に行われ、軍配御守札が授与されるほか、縁起物としてしょうがが売られます。            (『よみうりサンタマリア』2014年5月号)

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