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祝6号7号 岸潤一郎とノーステップと松井稼頭央

大阪遠征。西武の岸潤一郎選手が大活躍でした。

20日は山本由伸投手から先制ソロ。22日は追い上げられた直後の3ラン。辻監督も試合後に「一番大きいのは中村の満塁ホームランだろうけど、その次にチームを救ったというか。楽に投手陣を投げさせることができた、あの3ランでね」と絶賛。最近の打撃について「打席の中の対戦する内容が非常に落ち着いてきたというかね。ちゃんとボールを見極めて、打つべき球を打てるようになってきた。だいぶ打席の中で余裕というかね、少しずつ慣れつつある」と評していました。

2本の本塁打はいずれも初球。思い切りの良さが表れた打席でした。

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一方、20日の試合後、辻監督が興味深いことを話していました。「岸選手の思い切りの良さが出た」という質問に対して、

「確かにそれもそうだけど、あとの打席みてもなんか、自然となんかタイミング合っているようなね。ほかのバッターは崩されいたけどあいつは意外と対処できていたような気がします」

と他の打者が山本投手を打ち崩せない中で、岸選手の対応力を指摘していました。

基本的に左足を高く上げる打撃フォームの岸選手ですが、ここ最近の打席では追い込まれてから、足をあまり上げないフォームに変えています。これを見て思い出したのが連載第1回「『甲子園の申し子』が解き放った自らへの呪縛」でノーステップ打法の話。当時2軍で結果が出ていなかった岸選手はノーステップ打法を試していました。

この打法の発案者は松井稼頭央2軍監督。ある日、岸選手を呼び出し、打法を伝えたと言います。その理由について松井2軍監督は

「股関節の固さから、どうしても体が流れてしまって、バットが出てこないという癖のようなものがあるので、そこを直すためです。
日々意識してやってくれているのがわかるので、何とか試合でいい結果として出てくれればと思います」


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と話していました。松井2軍監督は練習のみの提案だったそうですが、岸選手は試合でもノーステップに。「やりたくなかったですけど。めっちゃ打ちにくいですけど、やってつかめるものがあるんやったら」と試行錯誤していました。この時苦しんだことが今の好成績につながっているのではないでしょうか。岸選手は今でも打撃練習の最初はノーステップで打っています。

松井2軍監督は5月下旬時点で「ポテンシャルは素晴らしいと思います。その中で、自分の持っているものをどうしたら最大限に出せるか、自分がどう殻を破れるのか、というところをスタッフ全員でサポートしていきたいと思っています。バッティングの方はいま色々取り組みをしていますが、コーチ含め気がついたところを話すようにしていますね。どれか一つでも本人にとってプラスになってくれればと思います」と話していました。指導者としての喜びもひとしおでしょう。

連載第3回の取材は24日。どんな話をお聞きしようか一晩考えます。引き続き、岸選手にお聞きしたいことを募集しています。毎日新聞生野貴紀(https://twitter.com/home?lang=ja)まで。


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