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岸の「人生を変えた人」橋本コーチが自らに重ねたもの

毎日新聞のウェブサイトで連載していた「密着中」の西武・岸潤一郎選手編が完結しました!

プロ野球・密着中:西武・岸潤一郎/4 岸潤一郎から野球を続けるか悩むあなたへ | 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20211223/k00/00m/050/096000c

最終回では、岸選手がもう一度「本気」でプロを目指すきっかけとなった徳島インディゴソックスの橋本コーチとの出会いから猛練習を経て、夢がかなった瞬間までを2人の言葉で振り返りました。

その橋本コーチは、岸選手が徳島に入団すると同時に、徳島の選手からコーチに転身。経歴をさかのぼると、関東の大学から、専門学校で野球を続けて、徳島に入団してプレーしました。その経歴をご本人に確認していると、意外なことが分かりました。

「自分も岸の年齢で大学途中でやめちゃいました。大学3,4年ってまとも野球をやっていないんですよ。日本ウェルネスで野球を再び始めたという感じだったんですよ。本当に遠回りして独立にきたんです。(境遇が重なる?)自分のほうはだいぶ(岸と自分を)ダブらせてやっていましたね」

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拓大を退学した岸選手と似た境遇の2人。年上の橋本コーチはその時の岸選手の心境が痛いほどよく分かったのではないでしょうか。そう考えると想像を絶する猛練習の意味が分かります。橋本コーチは選手として懸命にアピールするもプロ入りはかなわず。その時のことをこう振り返ります。

「NPBのスカウトにプロに行けなかった1番の理由といわれた。なので若い選手には早めに気付いてほしいというか。(自分自身がもっと早くプロ目指していればという後悔が)そうですね。(その経験も岸に話す?)岸にはたぶん話していたと思いますね。ちょっと特別会話多かったので、あいつに関しては」

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ドラフト前の最後のシーズン終了後、岸選手は「これでドラフト掛からなくても悔いは無いです!やりきったので!」と話したと言います。2人の思いは見事にかない、岸選手は西武入りしました。

岸選手は今回の取材以外にもさまざまな媒体で「球史さんのおかげでプロ入りできた」と話しているのを見ました。そのことについて、橋本コーチはこう言います。

「(岸が)人生を変えてくれたと言いますけども、感謝しているのはぶっちゃけ自分のほうで。自分、NPB行っていないコーチなので。あんまりないんですよ(同じ)例が。アンチじゃないですけど、周りは大丈夫かと心配する声があったので。でも岸が、チームが日本一になって、岸がドラフト指名されて、今も1軍で活躍していて。そういった声も全部黙らせてくれたというか。僕がまだやれているのも岸の活躍とかが大きいんです」

互いに感謝し合う2人。橋本コーチは今でも「やりきった」と心から言えるような選手を育てようと向き合っているそうです。今後もそういった選手、コーチがいっぱいいる独立リーグにも注目していきたいですね。

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