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Logic Pro→Finale・Sibelius DAWデータを変換して楽譜に ①Logic側での下処理

 楽譜と音源両方が必要な場合(簡単な資料だけでしたら楽譜作成ソフトでの再生で済ませますが)普段はSibeliusかFinaleで楽譜を書いてからLogic Pro Xで音源を作成することが多いのですが、今回は逆の手順での作業を試してみました。Logicのルーツは楽譜作成ソフトNotatorですのでDAWの中では楽譜作成に強いと言われることもある様ですが、Logicで直接書き出したスコアは下記のPDFの様なものです。楽譜用のクオンタイズを調節するだけで、もう少し見やすくはなりますが今回は敢えて初期状態のままです。

書き出しは『ファイル>選択範囲をMIDIファイルとして』を選ぶだけです。

名称未設定

特に設定もなく保存先の指定のみなのですが、1小節目の1拍目より前にイベントがある場合は下記のダイアログが出ます。アルペジオや装飾音符が前に出ている場合、発音の前にコントロールチェンジが書かれている場合などがこれに当たりますが「すべてのトラックを移動」を選べば1小節前に足した状態で書き出される様です。

位置1111

今回使用したLogicのデータはタイトル画像のものですが、これをSibeliusとFinaleでそれぞれ開いてみると、185パートというとんでもない楽譜になってしまいます。Logicで書き出すMidiファイルはリージョンがトラックになるので書き出す前にパートごとに複数のリージョンを一つにまとめておく必要があります。その前に

・パターンリージョンは結合できないのでMIDIリージョンに変換します。
>編集>変換>MIDIリージョンへ

・Drummerトラックはそのまま結合すると内容が変わってしまうのでMIDIリージョンに変換します。
>編集>変換>MIDIリージョンへ

全てがMIDIリージョンになったところで、一括選択をして
>編集>バウンスして結合>トラックごとに結合 【J】

これで1トラックが1リージョンになりました。今回はTimpaniとTimpaniトレモロが別トラックになっていたのですが、これも楽譜にする場合は同じパートですので結合しておいた方がわかりやすいです。ただ別の方に楽譜を制作してもらう場合はアーティキュレーションごとに別のトラックにした方が良い場合もあります。その場合は逆に
>編集>MIDIイベントを分離>アーティキュレーション
でを選択すると自動的に新しいトラックを作って分離できます。

Midiファイルを介してFinale・Sibeliusで読み込んだ場合、リージョン名がトラック名になります。普通に打ち込んでいった場合リージョン名にはトラック名がついているのですが、別パートのリージョンをコピーした場合、リージョン作成後に楽器やトラック名を変更した場合は別の名前がついている場合があります。トラック名が正しいのを確認したのちに一括選択をし
>右クリック>トラック別にリージョンに名前をつける【Option+Shift+N】
で一括で名前を変更できます。

このあとはFinale・Sibeliusでの作業になりますが大きな問題点は

・読み込む際のクオンタイズ設定
 以前作業をした時は連符が絡む場合、全てを再現する設定は見つけられませんでした。今回のデータはイーブンとスイングが混在する上、3連符、5連符、6連符、7連符とでてくるので全部を変換するのは無理だと思いますがどこまで効率化できるか・・・

・音価の表記
 他の方のデータを楽譜化する場合は元データを記譜したい音価に修正して頂くしかないと思うのですが、両方自分で作業する場合はどれが効率が良いのか・・・

これ以外に今回のデータを読み込んでみて重大な問題が多数見つかりましたが、まだ検証が追いつかないので今回はここで一旦終わります。



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