【大学のPR動画を自分たちの手で】立命館大学公式ブランディングムービーを監督して
こんにちは!谷口と申します!
僕は日本で唯一の「映像学部」を有する総合大学、立命館大学に通い、映画、プロモーションビデオ、ゲームなどについて勉強しながら、日々、制作活動にも取り組んでいます。
今回は僕が今まで監督した中で一番規模が大きく、なおかつ困難だった映像制作について話していきたいと思います。
制作した映像はこちらからご覧いただけます
↑エコプロ2019の立命館大学ブースで流されている映像について説明するEntervibe代表小川さん(写真中央)
大学PRを、自分たちの手で
本映像は2019年12月に東京ビックサイトで開催された「エコプロ2019-持続可能な社会の実現に向けて」の立命館ブースで上映されたものです。
この映像を制作したきかっけは、映像学部のコンテンツ制作団体、Entervibeの代表の小川さんから誘われたのがきっかけでした。
「大学のPR映像を監督してほしい、、、、2か月で(笑)」
「いったいどこからそんな案件持ってきたんだ」とも聞かずに、
僕は大学の公式で映像をつくれることが嬉しくて、2つ返事で了承しました。
自分が通っている大学だからそりゃPRするのは楽勝だ、そう考えていました。
しかし、現実はそう甘くありませんでした。
毎日通ってる自分でもわからない、広すぎる大学を1本の映像でPRする。
実際にどんな映像を作ろうか、考え始めるとすぐに大きな壁にぶつかりました。
自分の通っている大学について知らなさ過ぎたのです。
もし、自分の学部をPRするなら比較的簡単です。
授業はどんなものがあるか、どんな先生がいるか、どんな研究をやっているのか毎日通っているのでわかります。
しかし、大学そのものをPRするのはあまりにも概念が大きすぎてどうすればいいのか全くわからなくなってしまいました。
立命館大学には主にキャンパスが3つ、学部が15個もあります。
総合大学なので非常に多様性があり、それぞれが全く違うことをやっています。それを1つの動画で表現するのは当時の僕にとって、ドラえもんとクレヨンしんちゃんと名探偵コナンと鬼滅の刃のアベンジャーズ映画を作れ、といわれているような感覚でした。
そうだった、納期、2か月だっけ?(笑)
しかも、納期まで2か月もありませんでした。大学のPR動画を制作するなんて初めてのことでしたし、その間に構成を考えOKをもらいロケ地や出演者の準備をし撮影をして編集をして実際に納品するまで2か月です。
ほんとに完成できるのかととても不安になりながら、優秀なプロデゥーサー鈴木君とも協力しながら、撮影を進めていきました。
大学のキャッチフレーズ「挑戦をもっと自由に」を映像で表現する
小川さんはじめとする制作チームや大学内の職員さんをもたくさんの議論を重ね、動画は大学のキャッチフレーズである「挑戦をもっと自由に」ということを動画内で表現しようということになりました。
挑戦とはなにか?それを自由にするとは何か?それを大学でする意味は何か?
非常に悩みながら映像として落とし込んでいきました。
大学の知を炎で表現したイメージシーン
冒頭と最後のイメージ映像では”知の炎”をモチーフとし、「1人の”知の炎”ではそれ自体は小さく消えてしまいそうで先の見えない現代社会の暗闇に迷ってしまうけど、みんなの”知の炎”を合わせ大きくしていけば、道が照らされ、走り出すことができるんだ。」という思いをこめ、立命館はそうした”知の炎”が集まる場所であるということを表現しました。
リアルな挑戦を描くメインシーン
また、中盤のメイン映像では実際に立命館の中で「挑戦」している人を取り上げました。僕は挑戦している教職員・学生たちのリアルを見せるのが非常に説得力があることだと思ったからです。
従来の大学プロモーションビデオに取り上げられるような輝かしい業績をあげた人や目立っている人にフォーカスするようなものではなく、普段あまり取り上げられることのない、でも、日々自分の目標に向かって必死にもがいている、そういう人たちがこの立命館にたくさんいることを知ってほしい、そういう思いで撮影に挑みました。
立命生50人以上が出演、最後はひたすら足で稼いだ映像集
様々な学部、研究室、団体、とにかくいろいろなところに顔を出し映像を撮らせていただきました。時には学園際をカメラ片手に回りまくり、訝しげな顔をされながらも、気になる団体や研究室に手当たり次第に声をかけました。その中で、この立命館学園の広さ、深さを知ると同時に彼ら彼女らの並々ならぬ熱意に圧倒されました。この熱を映像表現で視聴者に伝えきれるのかと、とてもプレッシャーに感じましたが、これも挑戦であると自分自身に言い聞かせ、当日ぎりぎりまで編集の調整を重ね、最後はなんとか自分なりの満足いく映像に仕上げることができました。
大学の学長も見てくれた
この映像を東京ビックサイトの展示会で上映した時、普段全く見たことのない、大学の学長がやってきて、この映像を最後まで見てくれました。ドキドキしながら挨拶を済ませると、学長は短く一言「いやーよかったよ!」と。そして、周りの取り巻きの人にせわしなく案内されながらほかの展示も見て回ってそのまま帰っていきました。
もはやお世辞でもなんでもいい。
大学の一番偉い人が僕の作った動画を見て「よかった。」と言ってくれた。その言葉にやっと終わったんだと安堵して、いままで突っ走って力んできた力を、やっと抜くことができました。その夜は本当によく眠れました。
さいごに
この映像を作るにあたっていろいろな無理を聞いてくれた大学の職員さん、突然の依頼にも関わらず撮影の被写体になってくださった様々な学部の研究室、団体の皆様、そして、つらい撮影の中、最後まで付き合ってくれた20名以上の学部の仲間達には感謝の言葉しかありません。
本当に本当にありがとうございました。