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PANAMAMANのお蔵出し~浜松町・田町↔新橋編・有楽町編

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都内の食べ歩きなどなど、趣くままに書き留めています。
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2020年5月の記事一覧

立ち止まると奴がいる「そば 俺のだし GINZA5」

俺の~シリーズ、美味しいだけでなく、量もたっぷりあって好きな店が多い。銀座のフレンチが有名だが、大井町の焼き鳥も美味だ。 銀座ファイブの地下街には、気軽に飲み食いできる店がたくさんあるが、駅よりの通路に面して、俺の~シリーズがどん、と店を構えている。 立ち止まると、蕎麦屋である。そして、安心してください、立ち食いしなくていいやつです。 そば 俺のだし GINZA5。濃い色の、太い、食べ応えのある蕎麦。これは、好き嫌いがわかれそうである。実は、私はそばはいわゆる翁系が好み

お箸の国の牛タンシチュー「銀之塔」

東銀座駅の近辺をうろうろするのが好きだった。「だった」というのには訳があって、歌舞伎座が新しくなってから、辺りがなんとなく一変してしまった気がして、寄り付きにくくなったのだ。前には日本茶のカフェがあって、そこでお茶してから、マガジンハウスに向けて歩いて行った。おいしいラーメン屋とメンチカツの有名店があって、休日のお楽しみコースだった。 「だった」ばかりですみません。 変わらぬ東銀座の顔、「銀之塔」はビーフとタンのシチューとグラタンの名店である。この店を通りかかると観光バス

お店の味をご自宅で「上海餃子 りょう華」三田

三田駅から慶応義塾に向けて歩く道すがら、少しわき道に入ったところに、りょう華がある。コロコロとかわいい餃子と鳥しおラーメンが有名な、学生や会社員のサク飲みによく使われる、街の気さくなお店だ。 家で餃子を作るのは…心身ともに健康で意気揚々ならば楽しいだろう。しかし、自粛続きの今の世では、このちまちました作業がちと苦しい。ましてや、「上海餃子」などと名乗ったお店の餃子を真似するなんて…前日の晩から冷水に白菜を浸けて置くところから始めないといけなくなってしまう。そんなことは専門店

煮干しは嫌いじゃないです「すごい煮干ラーメン凪」田町

田町駅の昔の姿をぼんやり思い出す。芝浦口に出て駅の階段を下ると、なんだか怪しい、細長い雑居ビルがあって、近寄りがたい雰囲気があった。買い物と言えば、湾岸地域のマンション用に無理に誘致したかに見える大丸ピーコックくらい。ほかにめぼしい店などなかったように思う。 しかし、今は田町駅と言えば芝浦口方面の時代である。芝浦口にはなぎさテラスとよばれる商業ビルなどができて、すっかりあか抜けてしまった。開発、成功ですよ。 渚テラスの一階にはおいしい店が並んでいる。岡むら屋というおいしい

小籠包は戦場を駆ける「新亜飯店」大門

新亜飯店をこの世に知らしめたのは、ある有名な作家の先生ではないか。先生が皆にお勧めしたのはいわゆる上海蟹の方だったが。 こちらのお店は大門駅の出入り口近くにある。細長い、間口の狭いビルの一階に、その週のランチなどのメニューを記した赤色のボードが飾ってあって、いかにも中華レストランの風情を醸し出している。 先生のお勧めする上海蟹は、なるほど季節の風物詩であって、グルメな人々はこれを目当てにやってくるのだろう。しかし、しかし、上海蟹を愉しむ人々、というのはごく一部のセレブリテ

ピンと立つトリッパ「ジリオ」西新橋

開店当時につい、立ち寄った。西新橋というと聞こえは良いが、新橋と浜松町の間、空白地帯の小さなビルの地階だ。何の情報もなく立ち寄るには勇気が要る。 しかし、店に降りる入口に立てかけてあった、このあたりに似つかわしくない旗のオブジェに誘われるように、何の気なしに立ち寄ったのだった。そして、たまたまハチノスのトマト煮込みや白いんげんのマリネというものを食べた。 …やべえ、トスカーナ料理、旨い。 ハチノスなんて、ホルモン焼肉ぐらいでしか食べたことがなかった。正確には、仔牛のトリ