見出し画像

【エッセイ】灰の蝶(完全版)※下品な内容を含みます。

職場の保育園で、焼き芋大会をした。

強い風が吹き、灰が舞い上がった。
一人の女の子が、空を仰いでこう言った。

「ちょうちょいっぱい!」

役割を終え、土に還るだけの燃えかすが、彼女には無数の蝶に見えたのだ。

なんて鮮やかな感性なのだろう、と、羨ましくなった。


なんて言ったって、
あの臭くて汚いうんこでさえ、彼女らにとっては

「おっきいのでた!」

と歓待し、

「ばいばい」

と手を振って惜別すべき存在なのだ。

「下品な内容を含みます」とタイトルに付したのは愚かだっただろうか。

下品なのはうんこではない。
うんこを下品と見做す私たち大人だ。
「せっかくのかわいいエピソードがうんこに侵食さr…」
と嘆く私こそが下品なのだ。

まっさらになれば、蝶もうんこも、同等に輝いて見えるはず。

加工なんてしなくても、本当は、世界はキラキラ光るもので溢れているのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?