定量分析の教科書(ビジネス数字力養成講座)

数字が苦手な人に対して、語学と同じように数字を習得するコツについて書かれている本である。

大きく2つのテーマについて書かれており、1つは分析の考え方、2つ目は比較の技術に書かれている。

分析の考え方は、分析の本質、分析と仮説思考、分析の5つの視点の3つに分けて説明されている。毎日の仕事はアクションの連続であり、それはいうなれば意思決定の連続である。そして、良い意思決定を行うには事実に基づいた優れた分析が必要になってくる。
そもそも分析の目的とは、こうなれば、こうなるという因果の関係を読み解き、それがどうだったのかを分析して確かめる行為なのである。また、因果は物語ともいえ、その物語=因果関係を解き明かすために分析をしていくのである。また、その因果を確かめるために、分析は、あるものとあるものの比較をしていく行為が本質なのである。

物語という言葉が出たが、それは仮説とも言いなおすことができる。
そして、分析をするためには、その仮説と分析の手順をしっかりとおさえることが大事になってくる。仮説をつくるためには、目的をもって、その目的を達成する手段は何かを問いかけることが大事になってくる。目的もなくやみくにデータを漁っても結果は出ないのである。仮説をもって仕事をすることは、より効率的に生産的にビジネスに貢献でき、自分自身を成長させることにつながる。また、仮設を構築する力を身につけるためには、問題意識と引き出しをたくさん持っていることが、仮設構築力を養っていく。

分析に関しては、その本質は比較であるが、比較をするにもたくさんの目のつけどころがあり、それは、①インパクト=大きさ②ギャップ=差異③トレンド=変化④ばらつき=分布⑤パターン=法則、という目のつけどころがある。
インパクトは、そもそもそれを分析する意味を問いかけ、ギャップはどれぐらい差があるのかを明らかにし、トレンドは傾向や変化した点を明らかにして、ばらつきはどこかで集中していないかを確認し、パターンは相関や外れ値がないかを読み取るために行うのである。

2つ目のテーマである比較の技術では、グラフでの比較、数字での比較、数式の比較という形で比較する方法を載せ、どんなアプローチで数式をみればいいのか、そもそもの定量的データの定義を確かめながら説明している。

改めて、分析の目的は因果関係をおさえ未来を変える行為であり、そのため比較という行為を通じて、分析結果を出すプロセス、どのような見方で数値を見るかの視点、どのように出していくかのアプローチでまとめている。

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