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【ゲーム】「風来のシレン6」シリーズ最高傑作

紹介

「シレン5」から14年ぶりの新作、「不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録」
ある程度プレイし、間違いなくシリーズ最高傑作でした。

良い点

・とっつきやすく、楽しく、奥深いシステム
・理不尽過ぎず、簡単過ぎないモンスター
・初心者向け救済措置が多い(初心者に優しいとは言っていない)
・操作性が非常に快適
・最終ダンジョンのゲームバランスが特に良い
・耳に残るBGMとSE

特徴

メインダンジョン「とぐろ島」を中心にストーリーが進行する。
プレイ回数によってルート分岐や数多くの解放要素がある。
さらに10以上のサブダンジョンがあり、シリーズ恒例の99F持ち込み不可ダンジョン、通称「もっと不思議」も存在する。

システムは複雑だが、とっつきやすい。最初は要素がかなり絞られていて、メインダンジョンの進行に応じてシステムが徐々に解放され、理解しやすい構造になっている。「6」がシリーズ最高傑作と言える理由の一つ。

シレンシリーズ最大の特徴である「武器の合成」が非常に楽しい。
合成システムは作品によって差があるが、「6」のシステムも非常に良い。

シレン6の特徴として、ゲーム中に「今回は運が良い」と思わせるできごとが非常に多く、とても楽しい。
強い武器盾「神器」や強い腕輪を入手したり、強いアイテムの入手頻度が高かったり、ボーナスステージの「ほこら」や「祭り」に遭遇したりと、運による上ブレ要素が非常に多い。
難易度が高いダンジョンでも、運が良ければクリアできるかもしれない、と楽しくリトライできる。「6」がシリーズ最高傑作と言える理由の一つ。


シレン6は、初心者向けの救済措置が多い。ただし、簡単ではない。
・プレイ回数に応じて、強力なアイテムや仲間がどんどん解放される。
・死んでもその場で復活できるアイテム「復活草」の入手頻度が非常に高く、店で購入する場合も非常に安価。
・死亡後に「救助」されるとコンティニューが3回まで可能。これは無条件ではなく、自分自身またはネット上の誰かに「救助」してもらう必要がある。「救助」へ向かう際に限り、公式チートができるので、普通にリトライするよりは簡単。
・失った装備をあとから回収できるシステムがある。高額な金額を要求されるが、装備とゲームのモチベーションを失うよりはるかにマシ。

これほど豊富な救済措置はあるが、ダンジョンの難易度そのものは下げてくれない。失敗してもリトライしやすいだけ。何度でも失敗して、実力と運でクリアしてくれ、という方針のようだ。
あと、フルプライスの7000円するゲームなので、様子を見てからというのもアリかも。

シレン6動画を見る

シレン6は動画投稿や配信してる人がめっちゃ多い気がする。
YouTubeで「シレン6」を検索するといっぱい出てくる。
以下見たやつざっくり紹介(敬称略)

シレン6公式
ファミ通
兄者弟者
ハヤトの野望
関優太
U字磁石
しらたきch
葉山舞鈴
社築
花畑チャイカ
笹木咲
早瀬 走
一条莉々華
猫又おかゆ
白上フブキ
博衣こより
鷹嶺ルイ
姫森ルーナ
天開司
日ノ本マイ

ほかにもいっっっっっっぱい色んな人が配信してる。
この人のシレン配信オススメっていうのがあったら教えてください

ローグライクを安価な「魔女の迷宮」で試す

不思議のダンジョンや「ローグライク」系ゲームを未経験の人には、シレン6は合わない可能性がある。
これは「ローグライク」というゲームジャンルの宿命であり、合わない人には合わない。
自分にローグライクが合うか合わないかを安価に確かめる方法として「魔女の迷宮」という別のゲームがある。

Switchで1500円、アプリ版はなんと無料。
これで「ローグライク」というジャンルを体験して、行けそうだったらシレン6を買う、というのは有り。
もちろん「魔女の迷宮」自体も面白いゲーム。

総評

シレン6は、シレンシリーズ最高傑作であり、
・シレン初心者
・シレン1や2以来触れていない人
・シレン3、4、5が合わなかった人
・シレン愛好家
のすべての人にオススメできる。

それだけでなく、今後の展開・・・アップデート、DLC、シレン6plus、シレン7、シレン過去作リメイク、「不思議のダンジョン」シリーズの新作やリメイク、そして新たな「不思議のダンジョン」などにも大きな期待ができる、素晴らしいゲームだった。




ここから先の内容は妄想と主観がたっぷり含まるので区切った

シレン6の使命と背景

14年ぶりの完全新作である「シレン6」の発表と同時に、シレンジャー(シレンシリーズファンの総称)は大いに盛り上がるとともに、一抹の不安を隠しきれなかった。

理由の一つは、「6」のクオリティへの不安。
もう一つは、シレンブランドと不思議のダンジョンのブランドの生命を賭けた、最後の大勝負への不安である。

シレンシリーズは、ざっくり分類すると、3つの系統に分かれる。
・初代、2、GB、GB2、外伝(アスカ)の「初代系」
・3 の「シレン3系」
・4、5 の「シレン5系」

シレンシリーズの歴史として、まず「初代系」が発展し、シリーズファンが生まれた。しかし、アスカの売上があまり振るわなかったためか、ゲームシステムを含めてテコ入れが入った。
ゲームシステムが大幅に変わった「3」は、残念ながら売上は振るわなかったうえ、ゲーム性がシリーズファンの中でも賛否両論となってしまった。
そして、「4」と「5」はさらに別の方向でゲームシステムが変わった。それでもなお売上は振るわず、やはりゲーム性は賛否両論となってしまった。

そして「6」まで14年の空白を迎える。その間、リメイクや別ゲーコラボやアプリゲーなどの関連作が出るも、どれも景気の良い話は聞かず、不思議のダンジョンシリーズの衰退は色濃くなっていった。

そんな中で「6」が発表されたが、シリーズファンはいの一番にゲームシステムを不安視した。つまり、
・また新しいゲームシステムになると、システム変更が賛否両論続きになってしまったことから、大いに不安である
・「シレン5系」になると、生まれる前から賛否両論である
・「シレン3系」になると、生まれる前から賛否両論である
・「初代系」はあまりにも古く、発展性がない
どれをとっても茨の道、どこへ向かうのか。

そして、もしシレン6が売上的に失敗してしまったら、今度こそシレンシリーズと不思議のダンジョンブランドが消滅してもおかしくない状況であった。果たしてシレン6は、新規プレーヤーを獲得し、「初代系」「3系」「5系」と分かれるシリーズファンを納得させ、売上的にも成功してこの状況を打開できるのか。全てはとぐろ島に委ねられた。

華麗なる原点回帰と原点回帰詐欺

シレン6の発表から発売までの間に、いくつかの情報が先出しされた。
最初にインパクトのあった記事は、シレン6は「原点回帰」である、というものだった。(記事の一つ)

「原点回帰」という言葉は、「初代系」を強く意識させる。
それどころか、インタビューの中で、「レベル継続システムはない(3系の特徴)」「夜システムはない(5系の特徴)」など、3系や5系の要素は再登場しないと明言すらされていた。
さらに、初代をオマージュしたかのようなステージ構成、初代系である「2」に近いグラフィックやモンスター、そして人気キャラ「アスカ」の再登場と、とにかく原点回帰が強調されていた。

しかし、それと同時に、「デッ怪」「ドスコイ」「神器」などの新要素も続々と公開され、システムが初代系ではなく新しい「シレン6系」、つまり三度目の賛否両論になる不安も残り続けた。

そして期待と不安の渦巻く中、発売されたシレン6のシステムは・・・初代系ではなく、新しい「シレン6系」だった!

ブランド存続を賭けた大一番のシレン6で、3系と5系とその後の賛否両論にもめげず、ガッツリと新システムで勝負してきた。
ただ、3系や5系のような直球勝負のシステム変更ではなく、原点回帰の旗の下に初代系のシステムを一部残すというイメージ戦略で、新システムに不安を持つシリーズファンを納得、または騙すことに成功した。ぱっと見は初代でも、プレイフィールは大幅に刷新され、時代遅れではない。(グラフィック面は諸説ある)

もちろん、新規プレーヤーにとっては、初代系とか6系とか関係なく、ただシレン6が楽しいか否かである。そしてシレン6は間違いなく楽しい。

原点回帰詐欺でシリーズファンの不安だけを払拭し、最新システムが多くのユーザーに受け入れられたシレン6は、間違いなくシリーズ最高傑作である。

全会一致で素晴らしい点

ユーザーインターフェースやオプション関連、手帳関連、サクサクの動作は間違いなく素晴らしい。

UIはオメガラビリンスなどの近代ローグライクゲームに勝るとも劣らない状態になった。今のUIが快適すぎて、逆に過去のシレン5とか遊べないかもしれない。
もちろん細かい改善要望はあるかもしれない。個人的にはちっさいHPバー欲しい。

手帳と探検録は素晴らしく、「6」がシリーズ最高傑作と言える理由の一つ。
「情報が分かりやすい」「遊びやすくなった」「埋める楽しみ」はもちろん、ダンジョンのモンスターテーブル把握とアイテムの値段把握で難易度が大幅に変わってしまうシレンシリーズにおいて、外部wikiや攻略メモのありなしで難易度が大幅に変わってしまう問題を解決し、「wikiいらず」になったのも大きい。
これに匹敵するシステムを持つローグライクゲームってあるのかな。まもけんが進化すればワンチャン?

サクサクの動作は、リプレイ性の向上と、「過去と同じ過ちは繰り返しませんよ」というアピールの両面で非常に良い。

音楽やSEもとてもいい。すぎやま先生云々や懐古の思いを持つ人もいるかもしれないけど、6は6でとてもよいと私は思う。

ぶっ込んできたプレイフィールの再変更

「シレン6系」最大の変更点は、旧来のデフレ型シレンから、上振れればクリアできるインフレ型シレンにプレイフィールが変わったことにあると思う。
「5系」でHP回復量を変更して賛否両論になったというのに、チャレンジ精神旺盛というか懲りないというか。

「6系」のシレンは、昨今のローグライクやローグライトのウケている点である「分かりやすい上ブレ」が取り入れられた。
神器、出やすい白紙、強力な装備、ほこらなどによって「標準より運が良い状態」が明確に可視化され、頻繁に起こるようになった。運が良ければ(上ブレれば)クリアできるゲームは、失敗しても「次はクリアできるかも」と思わせ、リトライ性が上がる。

同時に理不尽さを限界まで減らし、死因の殆どをダメージに集約させた。睡眠罠やゲイズハメなどのような理不尽な死はやる気を削ぐが、ダメージによる死は明確な自己責任であり、リトライ性を損なわない。次はアイテムをケチらないようにする、と反省点も明確である。

リトライ性の上昇と引き換えに難易度とゲーム性の低下を招く調整だが、シレンを死にやすくすることで難易度を保った。
モンスター全体の攻撃力増加とシレンの回復量増加調整がそれで、一見釣り合っているように見えて、実際は最大HPが減っているようなものである。さらに、1対2以上の状況では明確に不利になる。
この手法が巧妙で、旧来のダメージバランスのまま、最大HPを15から5や6に減らすだけでも、同じようなゲーム性は実現できただろう。ただ、その場合、どのように批判されていたかは容易に想像できてしまう。
最大HPは15のまま変えず批判のリスクを減らし、自然回復量を増やして5系の賛否両論点を解消したかのように見せかけ、一見では分かりづらいモンスターの攻撃力で調整したのは見事だ。空白の14年の苦労が偲ばれる。

副作用として低層パコレプキンや複数に囲まれて瞬殺されるなどの痛ましい事件も起きているが、丁寧な立ち回りや「強い盾を拾う」系の運で回避できるため、大事にならなかったのは運が良かったのだと思う。次回作以降ではしっかり調整して欲しい。

過去のシレンはローグライクの伝統に則り、プレイヤーが知識と経験を積むことでダンジョンを攻略することに重きを置いていたため、勝っても負けても実力というストイックな面が大きかった。
今作のシレンは、ローグライクの本懐からはやや離れたものの、リトライ性が高くより幅広いプレイヤーが楽しめるようになっており、ゲームとしての本懐を取り戻したと言える。

コミカルなドスコイとおなら

閑話休題。
シレン6は、正統派で重すぎないシナリオに、ドスコイやおならなどコミカルな要素が少し増え、世界観がより魅力的になったように思う。
シレンシリーズの世界観は伝統的にクソ真面目だが、アイテムやモンスターのネーミング、はたまた解説文などのメタ要素にはおふざけが多く、度が過ぎた5では批判の対象にすらなってしまった。
一方、真面目にやりすぎた3は3で批判があり、塩梅が難しかったのではないか。3の批判の原因はキャラ変とシステム面だとは思うが…

タツミコカツの話と野間海賊の話とセキの話を真面目にやってたのに、ヒビキトゥガイはまだしも、桃まん女だのマンプクポンだのポリゴンくんだのタイガーウッホの像だのが乱入してきたら温度差で風邪引くでしょ。
そこをクールに進行するシレン君、焼き芋を食べて放屁して、おにぎりを食べてドスコイで壁を掘る。もう何がなんだかさっぱり訳が分からなーい!で無理やりまとまってしまうのがシレン世界観のいいところ。

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