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小説&ショートショート

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小説は主に短編です。フリー台本として、ご自由にお読みください。 (全部ではありませんが、「聴くっしょ!」にも投稿しています)
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#童話

冬色のカーテン|掌編小説(#シロクマ文芸部)

「冬色のカーテンです。大切にしてね」  そう書いたメモと一緒に、白のレースカーテンが送ら…

トガシテツヤ
10か月前
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夜を渡る風|掌編小説

 目が覚めて、窓から外を見ると、もう日が沈んだ後だった。  ――しまった。  夜の風が来…

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ヒグマフィッシング|ショートショート

 ――あれ?  意気揚々と渓流釣りに来てみると、ヒグマの親子が釣り糸を垂らしていた。僕と…

トガシテツヤ
10か月前
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オオワシのサチ|童話(#ウミネコ文庫応募)

「おーい!」  呼ばれて目を開けると、顔の上に大きな白い羽がふわりと落ちた。寝てる時に僕…

91

一陣の風を呼ぶ|掌編小説

 新雪の上に、灰色の塊が横たわっている。おそらく、車と接触したオジロワシだ。怪我はしてい…

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待ち合わせ|ショートショート

 近所の広い公園で車を停めて読書をするのが好きだ。  ――コンコン。  助手席の窓を見て…

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秋鮭デリバリー|掌編小説

 ――ピンポーン  私は「はぁ……」と大げさに溜息をつく。仕事の〆切間近で集中している時の「ピンポーン」ほどイラつくものはない。作業が強制中断される。  郵便屋さんや宅配便の人はいいのだ。まぁもっとも、出来るだけ「ピンポーン」を聞きたくないので、営業所で受け取ることがほとんどだが。 「はいはい……」  ドタドタと玄関へ行き、ガラッと乱暴に引き戸を開けると、2メートルを超えるであろう、ヒグマが立っていた。クマは「ん」と、手に持っている秋鮭を差し出す。 「もうそんな時期か