BTS:花様年華&Art work 〜WINGS #6 MAMA〜
この記事では『WINGS Short Film #6 MAMA』をもとにそのストーリーとイメージから描いた絵を記事にしています。
簡単に説明すると、ショートフィルムの映像やセリフ、歌詞とともに、語られていない部分について、創作で埋めていくことをしています。
創作前になんとなくのイメージで描いた絵もあわせて掲載し、最後にちょっぴり解説する流れです。
詳しくはこちらの記事をご参照ください↓
『WINGS Short Film #6 MAMA』はこちら↓です。
※未視聴の方はぜひ先にフィルムを観ることをお勧めいたします😊
では、始めます。
『WINGS Short Film #6 MAMA』
With a face that resembled her son's
timeless, ageless
and full of inner strength
the beautiful Woman smiled with dignity
Her gaze was fulfillment
her greeting a homecoming
Silently, I stretched my hands out to her
息子に良く似た顔
時間にも年齢にもとらわれず
内面の強さに満ちている
そんな美しい女性が気品に満ちて微笑んだ
彼女の眼差しは達成であり
彼女の挨拶は帰還を意味した
黙ったまま、私は彼女へと手を伸ばした
# MAMA 〜お母さん〜
ホソクの世界のすべては、今、この部屋の中にある。
眠る時だけが解放される時。
否、眠る時でさえもこの世界に囚われている。
何もない真っ白な部屋で横たわるホソク。
近づく足音。
監視窓が開き、想定通りに寝ていることが確認された。
カルテに記されるホソク自身が知る由もない自身のこと。
【診断】
症状:不安、恐怖、苛立ち
思考過程:非論理的、発達の遅れ
診断:ミュンヒハウゼン症候群
計画:Pluub…
足音が遠ざかる。
ホソクが起き上がる。
時計はまもなく1時になるところ。
1時、「食事」の時間だ。
一粒手にして、手慣れた様子で躊躇なく口に運ぶ。
喉もとを通って、また一つ、グラスが満たされる。
見開いた目の先に見えるもの。
Abraxas。
どこかに刻印された神の姿。
神の名。
「食事」が消化され、世界は色を帯びた。
無機質だった部屋も色であふれていく。
目覚め。
ここはどこだ?
色に触れてみる。
手が汚れた。
嫌なんだ。
嫌なんだよ。
手が汚れるのは。
ほら、誰かが僕を見てる。
汚かったら手を握ってくれないかもしれない。
羽でも生えたら追いかけられただろうか。
それともやっぱりこのままかな。
会いたいな。
会えるわけないけど。
羽根なんてどうせ偽物だ。
むしり取れば落下する。
あぁ、イライラする。
誰だよ、ここに閉じ込めたのは。
さっさとここから出してくれ。
なんで、出られないんだよ。
なんで誰も来ないんだ。
あれ、ここはどこだっけ?
出てこい!
そこにいるんだろ?
そこから見てるんだろ?
メリーゴーランドに乗るんだ。
一緒に…。
ホソクは意識を手放した。
次に目覚めると、あたりは見たこともないような光に包まれていた。
なんだ?
なんでこんなに明るいんだ?
ホソクは立ち上がり、光に導かれるように動き出す。
そっと、監視窓から外をのぞき込む。
あぁ、僕はこの景色を知ってる。
あの森だ。
鳥のさえずり。
ホソクはドアノブに手をかけ、部屋を出た。
扉が開くこともわかっていた。
そう、この森だ。
森と対峙する。
空は青く、日差しは輝いて
ホソクはポケットから「食事」を取り出した。
紛れ込んでいたカプセルも同時に何錠か零れ落ちた。
甘いものは嫌いだ。
特に、これは嫌い。
けれど、これがないと生きられない。
僕が僕であることが証明できる味だから。
さて、行こうか、あの場所へ。
待っててくださいね。
いや、待ってますね。
Eva
「お母さん」
作品
モノクロVer.
解説
色の暴力とも言えるようなホソクの世界です。
真っ白な部屋が、闇に染まったと思ったら、無作為に殴り受けたような色に染まる。
行きつくところはいつも「母」です。
あるホームページの記載では、「ミュンヒハウゼン症候群」について以下のように書かれていました。
「ミュンヒハウゼン症候群」は、他人の愛情や関心を得て周囲を操りたいがために、病気のふりや自傷を繰り返す症状
スニッカーズは別の動画でホソクが母に置き去りにされた時に母が置いていったお菓子です。
置き去りにされたのはメリーゴーランドの前でした。
詳しくはこちらの記事↓にてご確認ください。
上記記事の動画で続きは描かれていませんが、ずっと待っていて、お腹が空いて、母が置いていったスニッカーズを口にして、母は戻ってこないことを悟ったのかもしれません。
それは新しい「ホソク」が生まれた瞬間の味とも言えます。
悲しすぎる母の味です。
どんな色に呑まれても、やはりその目はあの時に母を待っていた美しい目のままな気がします。
最後にホソクが向かった先は、原点であるメリーゴーランドの前のつもりで書いていますが、正直なところはどこへ向かっていったのかよくわかりません。
ただ何となく、母を見たのだとしたら、母を探しに行くだろう。
探しに行くとしたら、「ここで待っててね」と言われた場所なのではないかと感じました。
最後にホソクさんの名演技ビハインドをどうぞ。
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