BTS:花様年華『Blood Sweat & Tears』の疑問点をあげてみる
花様年華『Blood Sweat & Tears』のMVについて、映像などから物語にしてみましたが、物語のベースとなったシーンごとの疑問点について書いていきたいと思います。
こちら↓のMVの物語です。
こちら↓が物語にしてみた記事です。
今回、複数に分けて書いておりまして、下記のお品書きで言うと、④にあたります。
① 説明
② 韓国語(オリジナル)バージョンの物語
③ 日本語バージョンの物語
④ 韓国語バージョンの疑問点
⑤ 日本語バージョンの疑問点
⑥ 疑問点の答え探し
なので、まだ①の説明をご覧になっていない方は、もしよろしければこちら↓の説明記事からご覧いただけると良いかな、と思います。
①で触れた通り、5W1H的なポイントにも着目しながら書き起こしていきたいと思います。
ほぼ個人的な感想なので参考程度にとらえていただくのが良いでしょう。
もしかすると、もとのMVを楽しむことの妨げになるかもしれないので、まだMVの世界を自分なりにじっくり堪能していないなぁという方は読まないことをおススメいたします。
ぜひぜひ、まずは自分自身が感じる世界をご堪能いただき、この先のどこかでそういえば…と思い出したのであれば戻ってきてお読みいただければ幸いです😌
では、始めます。
美術館
まずは冒頭シーンの美術館ですね。
場所は、数々の彫刻や絵画、写真が飾られる美術館。
こちらの記事↓にて、一部作品を除いて、美術品については記載しておりますのでご参照ください。
この冒頭シーンで登場するのは全員。
それぞれのキャラクターの主な行動は以下の通りです。
ソクジン - ひとりで絵を見ている
ユンギ - 自転車に乗って、後ろからジミンを叩く
ジミン - パチンコ(スリングショット)を持ち、後ろからユンギに叩かれる
ナムジュン - ジョングクに本を見せる(読む)
ジョングク - ナムジュンに本を見せてもらう(読んでもらう)
ホソク - 五穀豊穣の女神をオペラグラスで見る
テヒョン - 五穀豊穣の女神の横に立つ
ソクジンのほかは2人ずつセットで書きましたが、どうやらこの組み合わせがセットになっているようですよね。
これまでの花様年華シリーズでも何かと組み合わせがありますが、たいていソクジンはひとり…な気がします。
この美術館では、それぞれの組は別々で行動しているようですが、ユンギとジミンは絵を見るソクジンを微笑みながら見つめます。
ナムジュンとジョングクはずっと本を見たまま。
ホソクとテヒョンに関しては、ホソクはオペラグラスをそのままソクジンに向けますが、テヒョンはソクジンには関心がない様子です。
つまりは、それぞれ別々に行動しているようでも、一部の人物はソクジンの存在を気にかけていることになります。
美術館で感じた最初の違和感。
それは、ユンギはなぜ自転車に乗っているのか、ということでした。
美術館の館内を自転車で走行。
天才だからといって、許される範疇を超えております。
貴重な芸術品がある美術館の中ですよ?
自転車で走る???
ダメ絶対!案件です。
しかし、他の皆さんは違和感を感じている様子もなさそうです。
ついでに言うと、ジミンがパチンコを持っているのも謎ですよね。
さらには、ナムジュンとジョングクがせっかく来た美術館で美術品を見ずに本を見ていることも謎です。
そして、ホソクに関しては、ものすごく近くにある彫刻をわざわざオペラグラスで見る意味が不明。
テヒョンに関しては行動自体にはそこまで違和感がありませんでした。
まぁ、敢えて言うならロングガウンは寝巻ですか?というところくらいでしょうか。
ソクジンに関しては、表情が深刻すぎるというところですね。
他の人物はそれなりに楽しそうだったり表情があるのに、ソクジンだけは氷のように張り付いています。
とにかく冷静に考えるといきなり謎だらけです。
ソクジンが観ているブリューゲルの絵は日本語バージョンにも登場して、最も重要と思われる美術品のひとつですね。
詳しくはWikipedia先生をご参照いただければと思いますが、なかなかエグイところもあります。
叛逆天使の墜落 (ブリューゲル) - Wikipedia
ソクジンの視線の先に描かれている部分を検証しようとじっくり見たら、若干気分が悪くなりました。
一部この絵の説明を引用すると、
ということなので、単純に天使と堕天使の構図になぞって、このMVでも、善と悪のような、追うものと追われるもののような共存できない何かを表している可能性がありますね。
この絵を見ているソクジンの両側に白と黒の入口が設けられているのも、どちらかひとつしか選択肢はないこと、もしくはどちらかは選択肢があることを暗示しているかもしれません。
はたして、それぞれの登場人物はどちらに属するものなのでしょうか。
それとも、どちらでもない?
ちなみに、『叛逆天使の墜落』では、天使たちが剣を持っていたりしますが、剣ではないものの、おひとりだけ武器を持っている方、いらっしゃいますね↓
そしてブリューゲルの絵の中には大天使ミカエルがいます。
ミカエル - Wikipedia
「彼の右手に剣、左手には魂の公正さを測る秤を携えている姿」で描かれることがあるようですが、剣ではなくて、秤を持っている方、いらっしゃいますね。
お胸の刺繡は秤に見えますが…↓
意図したことがどうかは不明ですが、こんな繋がりの発見はワクワクすっぞ案件です。
ちなみに、この美術館シーンはこの後どんどこ転じていきます。
パフォーマンスシーンの時は彫刻はほとんど片付けられています。
ちなみに、パフォーマンスシーンを加えると物語上、辻妻が合わなくなるので、物語の記事では、歌詞と関係するところ以外はかなりバッサリ切りました。
美術館は後半の重要シーンでも登場しますが、それはまた後程触れることにいたしましょう。
大広間
さて、続いては曲が始まるこちらのシーンの場所。
場所は、城か大邸宅の大広間か回廊でしょうか。
言い方が正しいのかはわかりませんが、何かしら名前がないとややこしいので、ひとまず大広間と名付けました。
登場するのは全員です。
まるで待ち構えていたように全員キメポーズ。
芸術品の一部のように全員でたたずんでおられます。
そして、次の行動。
ユンギがジミンの目を塞ぐ。
ジミンがユンギに目を塞がれる。
ユンギがジミンの目を塞ぐシーンは日本語バージョンにも出てきますね。
何度も出てくるということはキーポイントということだと思います。
こちらも完全なる違和感のひとつです。
なぜ目を塞ぐ必要があるのか。
ユンギの後ろにある電飾は見えにくいですね。
「The Temper」と書かれているのではないか、という考察を見かけましたが、こちらは花様年華に良く引用が登場する小説『デミアン』のキーワードでもあるようです。
あとは気になるところとしてはシャンデリアが落ちてるところでしょうか。
こちらのシーンは夜でしたが、この後、昼になって同じ場所ではジョングクがロリポップを口にしながらブランコに乗るシーンがありますね。
こちらも唐突すぎます。
美術品の多くある豪奢な部屋に、わざわざブランコを設置して、乗るでしょうか?というのが違和感です。
ちょうどこのシーンの間に、テヒョンがバルコニーで空を見上げているシーンがありますが、それは何となく空への憧れ、飛びたい願望のように見えました。
ジョングクはそんなテヒョンの「願い」に対して、人間なんて飛べないんだよ、こうやって飛んだ気になってればいいじゃん、と囁いているように思ったので、物語の方はそんな演出にしております。
正面にある絵はまさにイカロスが蝋で固めた羽で飛ぼうとして失敗して落下したシーンの絵であり、右横にある絵もまさしくイカロスを題材にしたものなので、つまりはイカロスになってしまうよ、という暗示ではないかということ。
やがて羽をもがれたようなテヒョンが登場することなどからも、イカロス=テヒョンの図もあり得るかと思います。
上下につながる家
続いての場面もいろいろと問題がありますね。
三つの扉がある青か緑の部屋で、ユンギが部屋の中央に座って歌います。
続けて何やらありとあらゆる装飾品に飾られた部屋にナムジュンが登場します。
MVの後半で、実はそれぞれの部屋は同じ家屋の二階と一階であることがわかります。
時系列は関係なく、部屋を中心に観ていくと、ユンギの部屋についてはジミンが登場し、ナムジュンの部屋にはジョングクが登場します。
そうです、これは美術館と同じ組み合わせですね。
ただ、状況的にどちらも穏やかでないようです。
まず、ユンギの部屋で起こる出来事は目隠しを持ったユンギとリンゴを持ったジミンが向き合います。
ユンギがジミンに目隠しをして、後方の扉に結び付けられて、ジミンが苦しんでいるような様子があります。
ここでひとつの違和感。
ユンギどこいった?
ジミンを結び付けて、どこかへ行ってしまわれたのでしょうか?
ジミン氏が苦しんでいるのに?
しかしですね、さらにMVをたどっていくと、ジミンは自ら目隠しをとるんです。
自分でとれるんやないかい!となるわけです。
その前にもう一つ忘れてはいけないことがあるので、この場面に戻りましょう。
この後方の扉にご注目。
この扉が開いた向こう側には…、
まさかのテヒョン。
着ているお衣装やベランダの形状からしてもどうやら冒頭のこのシーンとつながっているようですね。
さらには向こう側には、『イカロスの墜落のある風景』絵があって、その世界に飛び込んでいくようにバルコニーから飛び下ります。
しかも、飛び下りる前は笑っているわけです。
冒頭シーンで、ジョングクがテヒョンの飛びたい願望を否定しているというような記述をしましたが、ジョングクが否定しているかはさておいて、テヒョンが飛びたくて、実際に飛んでいった(落下したけれども…)ということは、相違ないかと思います。
もっと言ったら、ジョングクがブランコに乗っていたお部屋には同じ絵があったので、やはりリンクはあるようです。
絵の中に飛び込んでいくのは完全にファンタジーの世界ですが、この後方の扉って、何でしょうか???
ジミンが繋がれていたのもこの扉ですよね。
最初にこのお部屋が出てきた場面で、この時の歌詞は「僕の身体、心、魂」と歌う場面ですね。
言葉の順番で行くと、左右がどちらかわかりませんが、少なくとも真ん中は「心」ではないかと思われます。
心に繋がれたジミン。
心の扉を開けたところにテヒョン。
そんな構図になるのかな、と。
ナムジュンの部屋もカオスです。
バル〇ン?と見まごうばかりの煙が立ち込めております。
煙の色は緑色。
緑と言えば、ナムジュンの飲んでいたもの。
ジョングクが舐めていたもの。
つながりがありそうですね。
どうやらナムジュンが飲んでいるのは、アブサンではないかという考察をアート作品めぐりで目にいたしました。
アブサン - Wikipedia
以下Wikipedia先生からの引用です。
まさに!ですね。
幻覚作用があるということなので、ジョングクがブランコに乗るシーンなどに関しては、ジョングクの幻覚の可能性もあるかもしれません。
ピエタの部屋
続いてはこちらのシーン。
後方にはピエタ像。
しかし、良く見るとマリアははっきりとしていますが、キリストの方は顔がありません。
さらには、こちらもどうやら穏やかでない様子。
弓矢を眺めて臨戦態勢のホソクです。
ここで再び違和感。
ペアはどうした???
つまりはテヒョンのことです。
冒頭の美術館シーンのペアが、それぞれのシーンで関係しているとしたら、ホソクとテヒョンは同じ室内にいても良いのでは???
しかし、ホソクはピエタ像の前でひとりです。
テヒョンはユンギとジミンのシーンにも登場しますが、ホソクとふたりきりのシーンはないですよね。
なぜ???
ここで、美術館シーンをもう一度、見返してふと思いました。
あれ?
もしかして…???
ホソクにテヒョンは見えていない???
なんなら、テヒョンは誰にも見えていないという可能性もある???
ユンギとジミンはユンギがジミンを叩くことで双方の存在が確かめられます。
このシーンではジョングクがナムジュンの肩を組んでいるのでコチラも明確ですね。
しかし、その後方、ブリューゲルの絵の前を行くテヒョンを見ると、横にはホソクはいません。
しかも、なんだか重い表情のソクジンの前を歩いています。
こちらのシーンでは隣でテヒョンが笑っていますが、ホソクはテヒョンにひとつも触れることなく、オペラグラスで彫刻を観ています↓
そして、コチラのシーンでもテヒョンを見ている確証はつかめない。
ただ、テヒョンが僕も見てよ、と訴えているか、見えてないことをわかっていながらも敢えて視界の先に立つといういたずらをしている可能性もあったりして…。
テヒョンは楽しんでいるように見えるけど、ホソクはにこりともせずソクジンに視線を向けているんですね。
まったく絡んでいないのです。
え、やだ?そういうこと???
やっぱり見えてないのでは???
ドキドキが止まらん!
と思ったら、冒頭シーンでめちゃくちゃ肩を組んでました↓↓↓
何なら、ホソクの方から…。
たいへんお騒がせいたしました。
触れてました。
と確認するまでの、ワタクシのワサワサした脳内をシェアさせていただきました。
しかしながら、個別のシーンで、ペアの絡みがないのは事実ですよね。
ホソクのシーンのすぐ後に、このベールに包まれたテヒョンのシーンになりますが、到底同じ室内とは思えません。
まるで、さなぎから羽化するような不思議なシーンです。
そして、その後、こちらのシーンで水面をわしゃわしゃします。
しかも、わしゃわしゃしている場所はピエタ像=聖母子像が映っている場所です。
敢えてそこをわしゃわしゃするということは、まるでその存在をかき消しているようにも思えます。
さらには、弓を構えて、矢を放ちます。
次の瞬間、まるでホソクが放った矢が突き刺さって、血しぶきが出たかのようなテヒョンのシーン。
これは完全にテヒョンを狙っている構図に見えます。
同じお部屋ではないものの、やはりこの二人にはある意味「ペア」としてのつながりがあるようですね。
ホソクがテヒョンを狙っているとしたら、なぜテヒョンなのでしょうか。
テヒョンて、矢で射抜かれなければいけないような、何か悪いことしましたか?
そんな疑問を抱きつつ、続けていきましょう。
晩餐
場面はガラっと変わって、最後の晩餐を思い起こすようなお食事会シーンです。
目を皿のようにして、誰かのテーブルに他の人と違うものが置いてないか、コインとかないか探してみましたが、全員同じように見えます。
スプーンやナイフ、フォークなど一式しっかりとセッティングされていますが、それぞれの前にある銀の皿には、リンゴがひとつだけ。
で、これはどこですか???
何のための晩餐でしょうか???
かんぱーい!
って、背景が絵のようで異世界なのに、目の前にリンゴ丸ごとしかないのに、まったく違和感もない様子で皆さまグラスを掲げてらっしゃるんですよね。
しかも、雰囲気が暗い…。
お誕生日席にいるのがソクジンなので、主催者はソクジンでしょうか。
そして、何かの気配に振り返るソクジン。
ちょうどホソクが「逃げられないようにしばりつけて」と歌ったシーンのところでは、空間が歪みます。
水面のようでもありますね。
『AWAKE』でも横に水面が広がるシーンがありましたね。
しかも振り返りとセットです。
『Blood~』では、この後、先ほど記載したホソクが矢を放つシーンになりますので、ソクジンが気づいた気配というのは、ホソクのやる気(言い方)だったのかもしれません。
そして、ホソクが矢を放ったのをトリガーにするように、歌詞にも場面にもそれぞれ毒されていく様子があります。
ナムジュンの部屋では怪しい煙が立ち込め、ユンギの部屋ではリンゴを手にしたジミンがまさにユンギによって目隠しされ囚われようとしているところです。
そして、テヒョンは絵の世界に飛び立ちます。
ちなみに歌詞に出てくる、「もっともっともっと欲しい」は何が欲しいのでしょうか。
ジョングクは大広間でブランコどころかただただ宙を舞い、ナムジュンはゆっくりと煙草をふかします。(煙草でなはい可能性もありますね)
そして、実は自分で外せるジミンの目隠し。
さらには、ソクジンが6つの手で目隠しされている。
欲しいのは自由でしょうか?
歌詞にもありますが、どうあがいても囚われていることから逃れられないようです。
目を塞がされていることも、世界を見る自由を奪われていることになるので、解放されたい可能性があります。
仮に欲しいものが自由として、逆の視点からも考えられると思います。
例えば、ユンギはジミンの目をひたすら塞いでおりますが、ユンギはジミンの自由を奪っている=ジミンの自由を欲していることになるかもしれません。
更に言うと、ソクジンの目を塞いでいる手が6人なので、全員がソクジンの自由を欲しているようにも見て取れます。
そして、晩餐会の会場らしい場所で、風船を自由にするソクジン。
まるで、せめてこの風船だけでも自由になればいい、とでも言う自由への諦めでしょうか。
それとも、こんな風に自由になりたい羨望でしょうか。
と、まぁ欲しい対象を「自由」にしていくつかのシーンを見ただけでも何かと想像ができるので、もっと深い核となる事柄があるかもしれません。
ちょうど、この風船のシーンの『デミアン』からの引用がまさに大きなヒントのような気がします。
『デミアン』をまだ敢えて読んでいないので、何とも言えないところですが、やはり「Temper」はキーワードのようですね。
Weblioさんによれば、「気質、気性、気分、機嫌、短気、かんしゃく、怒り、(挑発を受けた場合の)沈着、平静、堪忍」というようなかなり多用な意味がありますが、相称して「人格」と訳してみました。
temperの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
The secondは第二の世界、第二のステージみたいなことかと思いますが、むしろ第一はどこなの?というところから知りたいですね。
前後の文脈がわかりませんが、the evil worldが第一の世界か第二の世界でしょうかね。
まぁ、『デミアン』を読めばいいんですけれどもね。
花様年華シリーズを一通り楽しんでから、読み込みたいと思っています。
再び美術館
そして、幕が上がるように登場するユンギ。
流れから行くと、完全に悪の親玉のように見えますね。
パイプオルガンの音色ですべてを操っているようにも見えなくはない。
そして、再び「美術館」の登場です。
なぜか皆が笑顔で美術館の中を駆け抜けて、光あふれる出口なのか入口なのかへ向かっていきます。
ここでもやはりペアが関係していて、ナムジュンとジョングクが肩を並べ、ユンギがジミンの手を引いています。
そして、やはりここでもホソクとテヒョンは別々。
ソクジンは当然のように別。
と思ったら、笑顔のテヒョンがソクジンを振り返ります。
冒頭の美術館シーンでもソクジンに興味はないようでしたし、ここまでのところでも特に個別の絡みはなかったですよね。
それが、突然気にかけて振り返ります。
さらにソクジンも振り返るんですね。
ユンギのオルガンの音を聴いたのでしょうか。
幕開けの気配を感じたのでしょうか。
…というか、美術館を駆け抜けたユンギとパイプオルガンを弾くユンギは別人格でしょうか。
と思ったら、パイプオルガンのシーンと同じようにベールがゆっくりとあがり、テヒョンが登場しますね。
ソクジンは、テヒョンに気づいたのでしょうか。
いや、ソクジン、うしろ!うしろ!って、思わず言っちゃう案件です。(昭和の方向け)
ユンギと同様に、ソクジンの後ろにいる美術館のテヒョンとベールの下から姿を表すテヒョンも同じ人格なのでしょうか。
そして、美術館のテヒョンはソクジンの目を塞ぐわけです。
この目隠しはいたずら心の目隠しでしょうか。
それとも、観てほしくない目的をもっての目隠しでしょうか。
どちらでもあるような気もしますね。
そして、次に視界が開けたら、美術館の様相が変わっていて、あの黒い翼の大きな彫刻が正面にいるわけです。
ただ、ここはちょっとトリッキーですよね。
そもそも、向いてた向きは反対でしたよね。
そして、それまではなかった彫刻です。
最初。
目隠し前。
ラスト。
彫刻の配置もそれぞれ違いますが、目隠し前と後では柱まで違っていますね。
まるで、別世界のよう。
そして、素朴な疑問。
この羽のある彫刻は何なのでしょうか。
なぜ、ソクジンは何も言わずにキスしたんでしょうか。
いろいろと思いを巡らせていると、何となくこの黒い彫刻から『風の谷のナウシカ』の原作漫画版に出てくる巨神兵を思い浮かべました。
読んでない方にはハテハテなお話になってしまいますね。
原作の漫画版、難しいけれど本当に面白いです。
私のバイブルのひとつであり、小学校高学年になった息子に7冊を積み重ねて、無言で差し出したいと思っています。
BTSの皆さんも読んでる方いらっしゃると思うのでぜひ感想をお聞きしたいです!
少しネタバレになりますが、巨神兵がナウシカをお母さんだと思うんです。
そして、名前をつけられるとパワーが急激に増していくんですが、名前をつけられることと、キスされることが何となく似ているように感じるんです。
名前をつけることはその人を「個」の存在と証明すること。
ある意味、「生命」を宿すことだと思います。
キスについても、キスすること=触れることで、その存在を証明すること。
触れられることで、自分の存在を証明することになるのかな、と。
では改めて、なぜキスしたか。
理由はわかりませんけれど、理由もなく彫刻にキスしませんよね。
そういえば、「キス」って、歌詞に出てきましたよね。
このリクエストが仮に彫刻のメッセージだとしたら?
ソクジンはそれに応えたということになるのではないでしょうか。
そして、キスすることで、大きな変化がおこります。
羽を失ったテヒョンが振り返り、不敵に笑う。
ホソクのいた場所の水が大噴射。
彫刻がひび割れ、ひびや目から涙のようなものが流れます。
そして、ジミンが自ら目隠しを外します。
目には緑色の涙。
緑はキーとなる色であり、涙はまるで彫刻とジミンが一心同体であるかのようなイメージを抱かせます。
羽という共通点では彫刻とテヒョンが同じというとらえ方もあると思いますが、個人的にはジミンの方がより近しいものがある気がしました。
そんな中で笑いながら歌うジョングクはすべてを悟っている人のようにも思えます。
そして、ピエタのマリア像がひび割れ壊れます。
彫刻もひび割れているので、ジミン同様に「同じ」なのかもしれません。
最後はソクジンが鏡の前に立つシーンです。
順番は前後しますが、鏡の上にあるのはニーチェの言葉のようですね。
ニーチェの著書もあたってないので、何のことやらわかりません。
しかし、これは最終的には最大のヒントになった気がしますが、それは日本語バージョン解説後のおまとめ記事にて書きたいと思います。
こちらのシーンでは、鏡の向こうとこちらの花が違うので、別世界であることがうかがい知れます。
手前の花は、この時の花と似ていますね。
こちらの動画↓からです。
花様年華の記事を書き始めるきっかけになった動画でもあり、こちらの記事↓で行間を読むという名目で書いています。
百合かカラーかな、と思いましたが、カラーも英語にすればlilyがつくのでここは百合で良いのかな、と思います。
マリアの象徴でもありますよね。
もう一つの花は他の動画で出てくるかどうか今のところ不明ですが、芸術作品を調べていて、リアトリスという花ではないかという説を見つけたことがありました。
確かに似ているかもしれません。
さらには別名「Blazing star」。
ニーチェの言葉の「Dancing star」と似てないか、と。
そして、ソクジンの顔もひび割れるわけですが、黒い羽の彫刻と、マリア像とつながるようにも思えますね。
このシーンでは花が映っていないので、どちら側のソクジンがひび割れているかわかりませんが、マリア像と同じであれば、百合側のソクジンかな、と。
そして、Star側のソクジンが誕生する、ということになるかもしれません。
というわけで、以上、ひたすら疑問点を並べてみる回でした。
拾い切れていないポイントも多々あると思いますが、改めまして、こんな風に切り取って、間に言葉を当て込めていったのがこちらの物語↓です。
次回は同じように日本語バージョンの疑問点について書いていきます。
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