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2023年12月1日(金)

トークイベント・イヴ

@高知県 四万十市、黒潮町

朝9時10分、宿泊中のホテルに西南交通のバス運転士・Hさんが迎えにきてくださる。お遍路中のバス移動中にお世話になって連絡先を交換したHさんとの再会。業務外の時間を使ってドライブに連れて行ってくれることに。ありがたい。
四万十川沿いの三大沈下橋まで車を走らせる。車内でのおしゃべりが弾む。この日は落ちアユ解禁日。Hさんは生まれも育ちも高知県黒潮町。このエリアは賃金が少なく、仕事がない、とのこと。
沈下橋からの眺め、鮎の縄を投げてる光景を目にする、山の一部の色付き、水の澄んだ様子、水難事故は毎年あるそうだ、上林暁の小説にも描かれている。

為松公園で解散。幸徳春水の死ぬ間際のうたの石碑がある、中村の偉人。奥には上林暁の歌碑も。
資料館の中へ。四万十川流域の説明、特集は酢みかんについての展示、ぶしゅかんやゆずなど、ふむふむ。

中村から大方に移動。
駅ナカにあるコーヒースタンドでひとやすみしつつあれこれおしゃべり。
お目当てのトークイベントのゲストの1人、山本善行さんの到着時間を知り、一旦文学館へ。同じくゲストの1人でもあり、『孤独先生』の挿絵を手掛ける絵本作家・阿部海太さんの原画の世界にしばらく入り込む。
時間になったので再び駅に戻る。善行さんと再会を喜ぶ。文学館の館長の武政さん、前々館長の山沖さん、ゲストの1人でもある世田谷ピンポンズさんにはじめましての挨拶。車に分乗して文学館へ。
翌日のトークイベントの会場に入らせていただく。自分だけ関係者じゃないのに打合せに居合わせてもらっている、ふわふわした気分。
しばらくして別れを告げて中村へ戻る。

晩御飯の味劇場ちか、お遍路で来たときのことを覚えていてくれてうれしい。
お酒とともにあれこれ会話が弾む。
落ちアユは今日はメニューにないとのこと。
うなぎ稚魚とって高く売れた、いまは少ない。冬の月の暗い夜、灯りともして稚魚寄ってくるから網で掬ってひともうけ。
川海老は岩どかしてバキュンとうってしとめて捕まえる。
金曜夜なのにお客さん少ない、アユ解禁日だからかな。川が暮らしに根付いてる。漁師だけのものじゃない、みんな釣ったり、捕まえたり。みんなの川。みんな川が好き。

さて、ホテルに戻って明日のイベントの質疑応答でのコメントを考える。

愛知からこのイベントのために大方に来ました。
上林暁と出会ってまだ半年も経ってないのですが、この孤独先生を含めた上林暁作品と出会ったことで自分にどう変化が起きたのかをまず話したい。
そもそも、10月末までお遍路で四国を歩きメインで区切りながら回っていた。
お遍路途中、ちょうど徳島から高知に差し掛かるときにタイトルに惹かれて買って読んだ島田さんの本が『電車の中で本を読む』
この本がきっかけで上林暁を知り、
『星を撒いた街』をその直後に読んで上林作品の虜になった。
お遍路で高知市内に差し掛かったときに、金高堂書店で青色の表紙の本特集コーナーがあり、そこの中央に置いてあり、かつその装丁の美しさに感動して手に取った本が、たまたま虜になったばかりの上林暁の『孤独先生』
これは読むしかない、
読み進めていき、上林暁いいなという気持ちが揺らぎないものになった。
そしてお遍路の途中でちょうど上林暁の故郷を通りがかり、文学館の展示物全てに心を打たれた。
私自身、故郷愛知を離れて大阪での会社員生活のストレスで心を病み、今年の春から仕事を休んで地元に戻った。
なにか変われたらなと夏からお遍路をはじめた。
そこで上林作品に出会った。
上林暁も私と年齢がほぼ同じくらいの20代後半のタイミングで東京での仕事を辞めて故郷大方に戻ってきて、つらい時間を過ごした。
その状況が自分と類似している点も多い気がする。
上林暁はその後の人生でどんな苦境に陥っても文学への魂は灯し続けた。上林暁の作品を読んで、生きる美しさに大いに心を打たれた。
上林暁が幾度にもわたる苦境を乗り越えたように、自分もこれからを前向きに強く生きていこうと思えた。そう背中を押してくれた気がする。
お遍路を終えたいまの私はお遍路前と比べてかなり生き生きとしている。
生きる活力がかなり湧いている。
その大きな要因の1つが上林暁文学との出会いといえる。
上林文学の世界の中へいざなってくださったすべての方に心から感謝の気持ちをお伝えしたい。
そして、いまここが上林暁ファンがたくさん集まる空間であることをとても幸せに思っています。

・今よりもさらに上林暁文学が世の中に広まる、特に若い世代にも広まるために、これからどうなるべきか

・なぜ、手風琴は古びた、に絵をお願いしたのか

・星を撒いた街、故郷の本棚よりも孤独先生の方がサイズが小さいのはなぜか

・上林暁の作品は、私自身の考えだと、
1万人の若者に名前が知り渡るよりも(それも大切だが)、100人の若者に心の底から感動させることが大事。私もその1人。
その100人が自分の言葉でいかに上林作品に感動したのかを周りに表明していき、感動の渦がどんどん大きくなっていってほしい。
そのためにも、私がお遍路を通して上林暁に出会って得られた感動をシェアできるような企画をいま計画中。


本日の1曲

夢見るようなくちびる
サニーデイサービス


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