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声優って緊張するの?

私は以前色んな先輩を捕まえて「収録の時に緊張しませんか?」と聞きまくっていたんですが、「緊張するよ」との答えが帰ってくることが殆どでした。キャリアが私の年齢くらいあるのでは?という大大大先輩でもやはり同様の答え。

では何故、緊張していても皆さまあんなに素晴らしいパフォーマンスが発揮出来るのか。ということで、今回は色んな角度から緊張につてお話しして参ります!!

なんでこの話を持ち出したかというと。何を隠そう私がとんでもない緊張しいでして。その日のコンディションとか、初現場や初ディレクターとか色々な要素が相まって、脇汗ぐっしょりになることが度々。なんとかならんもんかと長年思い悩んでいました。

色々調べていると、ある程度は緊張していた方が良い集中力を発揮してパフォーマンスが向上すると言われている事が分かりました。いわゆる「ゾーンに入る」ってやつです。こちら逆U字理論というそうなんですが、スポーツの分野では広く知られているもの。

スポーツ心理学実践会さんのHPの図が分かりやすかったのでペタリ。


調べていくと分かりますが、今やスポーツの分野ではゾーンに意図的に入る為のノウハウが確立されてきているんですよね。科学の力を用いてパフォーマンスを向上させることが出来るなら、ぜひ演劇の分野ももっとここに力をいれる何某かがあってもいいのにな。と心底思うのですけれども…

さて私の場合なんですが、情けないことに緊張し過ぎてパフォーマンスが上手く発揮されないこともしばしば。とはいえコロナ前の全員がスタジオに集まって収録していた時は、無意識の内に先輩方の胸を借りまくっていたようで。。。

先輩方と会話をすれば、自然と"その場"へ連れて行ってくれると無意識で分かっていたのでしょう。だから先輩方に囲まれたスタジオは私にとって安心出来る場所でした。

だがしかしコロナ禍から分散収録が始まり、しかも畏れ多いことに自分が場の一番上になる機会が増え異常な緊張感に支配されてることが増えてしまいました。もう恐慌状態。手も足も震えるし口もうまく回らない、つっかえる・噛む・間違うという事態にまで陥ってしまったことも。

冒頭にも書きましたが、昔から緊張しいな私は主役を張る先輩方に「現場で緊張しないですか?」という質問をしまくっていた時期があります。

その結果、殆どの方が"緊張はする"との回答。やはり皆んな緊張するのかと。ただそれを上手くコントロールしているんだなぁと思ったんですよね、そこが重要なわけです。

コロナ禍になり発症してしまった恐慌状態・異常な緊張感をなんとかしなければ。ということで、そこから脱する助けになったのがこの2冊。

こちらはまさに役者に向けて書かれたものなんですよ。緊張の根っこの原因を突き止める作業は本当に苦しかったけれど、改めて自分を受けとめることが出来るようになりました。

それともう一つ緊張から抜け出す方法として「自分の意識を相手に向ける」という方法を知ったのも大きかったですね。

緊張している時は自分に意識が向いています。緊張すればするほどそれがクローズアップされていくので、どんどん緊張がエスカレートしてしまいます。

ではどうするかというと、意識は一方通行なので自分ではなく相手や対象に意識を向けるようにすればいいということなんです。『意識は一方通行』って言葉としては簡単だけど、これ本当の意味で理解出来ると凄い重大なことだと気付かされます。

「相手役に集中すれば緊張はしない」

の言葉はここから来ているんですね。じゃあ相手に集中するにはどうすればいいのかというと、相手の瞬きだったり眉毛の上下も見逃さないぞというくらい相手に夢中になってみる。その間は緊張してる暇がないくらい必死にならないといけないですから。

訓練が必要ですが、訓練すればするほど効果を実感出来ると思います。

コロナ禍で色々と苦しい思いもしましたが、またテライレベルが1ランクアップしたかな?なんて思いつつ、これからもレベルアップ目指して色々動いていきます。

年度末が近づいて来ましたが、来年度も引き続き相談室では皆さまのお悩みに寄り添って参りたいと思います。誰も話を聞いてくれる人がいない…と辛い気持ちを抱えている方はお声がけ下さいませ。


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