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「IMONを再起動(リブート)する」の感想

・行ってきました!! 大森さんと品田さんの「IMONを再起動(リブート)する」!!!!! 

・『IMONを創る』も当日までになんとか読み終えたんですが、すごい本だなと思いつつ、全然理解できてないんだろうな……という気持ちでした。ここまで言えば分かるよね?みたいな感じで書かれてることに「え、いや全然わかんないんですが!?」と置いていかれていたので、少し不安でしたが、その不安を払拭してもらったように思います。


・印象に残ったことをつらつらと。解釈違いや記憶違いなども多々あるかとは思います。

・悪いとこどり の話

・「IMONはすごい『予言の書』ではあるけど、同時に現実がそれより下回っている部分もあって、そういった意味では『間違った予言の書である』」「我々は、人間とパソコンの悪いとこ取りの存在になっているのかも」みたいな話が冒頭にあって、その後のどこかで恐山さんが出された、「私たちは原始人から進化してない。技術が発展して地球の裏側のマンモスにもはしゃげるようになっただけの原始人」という例に、おぉなるほどーと思った。


・ROM/RAM の話

・「例えば会社の上司がジェンダー的に嫌な発言をしたとき、それに対して嫌だなと思う前に、それをSNSに出したら叩かれるだろうな~と思ってしまう」という話が出たとき、本当に心底わかるな~~と思った。自分の感情に行きつくまでにそういうことを考えてしまう。倫理感がアウトソーシングされてしまっているな。

・以前、恐山さんのnoteで出てきた「ダルさ」の説明にあった「ノリの強要」になるほどなーと納得していたんだけど、強要されることなく感情が決められていることにはダルささえ抱けないんだな、と怖くなった。いや、強要してくる明確な対象がいないからかな? 「これSNSに出したら叩かれるな」って思うことは、いつの間にかそう考えるようになっちゃってるなーとは思うけど、ダルくはないもんな。


・私が『IMONを創る』を読んだときに、なんとなく好きだなと思ったのはROM(書き込めない読み出し専用メモリー)とRAM(読み出しも書き込みも出来るメモリー)の、人間はROMでありたいと思うけれどRAMにしかなれないという話です。私がROMでありたいと思いつつ、まぁでも無理だよなーと思っていたので、『IMONを創る』でも無理だよって書かれていたことが嬉しかったのだと思う。

・でも今は、価値観とか考え方とかを外に(あるいは自分の内側のインターネットに)出せてしまえるんだなと思った。自分がROMになるというよりは、勝手に更新されていく価値観を考えずにただ需要するだけで生きることも出来るんだろうなって。Youtubeが男性の乳首をダメって言ったからそれは駄目。ルールで駄目なものと嫌なものが決まっていく。

・うわ、それはなんか嫌かもって思った。



・(笑)の話

・『IMONを創る』の中でも私がとりわけよく分からなかった(笑)の考え方について、「どうでも良いことはつらつらと書くのに、大事なことについてはさらっと書かれてて分かりにくい」とお二人がおっしゃっていて、少し安心しました。そしてこのトークイベントで(笑)の理解を進めることが出来てとても嬉しかった。

・話の中で恐山さんが出された永井均さんの『超越論的なんちゃってビリティ』の話や、『東京都同情塔』に出てくる「なんか笑っちゃうんだよね」と言う男性の話、授業中に先生の特徴的な語尾に気づいてノートの隅に正の字書いて数えちゃう話……。言葉にすることは出来ないけど、「あぁなるほどそういうことなのかなぁ」みたいな気持ちになれました。

・上層部にいる真面目な人ほど、そういう視点を持てないね~という話も出て、私は現在偉い立場にいるわけじゃないないし、偉くなりたいとも今は思っていないけど、偉い立場になって(笑)を持ち続けている自分がいたらカッコいいなって思っちゃった。


・なんでもやれ の話

・『IMONを創る』の中に社訓として出て来る、「一生やれ」「なんでもやれ」「ほっといてくれ」の、「なんでもやれ」の話。

・ひろゆきさんの例が出て、彼は求められる「ひろゆき」をやっていて、なんでもはやってないよね、それって窮屈なんじゃないのかなぁ(もちろん本人がどう思っているかは分からないけれど)、という話が出ました。

・私から見れば、お二人もそれぞれが「らしさ」を求められているんじゃないかとも思えるんですが、でも少なくとも私の前でお話されているお二人からは窮屈さとか苦しさとかは感じなくて、もちろん本人がどう思っているかは分からないけれど、それが素敵だなと思った。

・そして自分はちょっと窮屈に思ってるかも、と思った。お二人のように表に出るようなことをしているわけじゃないのに、なんとなく「私らしくないな」と排除してしまっている行動があるように思う。「なんでも」してみたいな。


・ほっといてくれ の話

・『IMONを創る』の中に社訓として出て来る、「一生やれ」「なんでもやれ」「ほっといてくれ」の、「ほっといてくれ」の話。

・現代で「ほっといてくれ」をするのは本当に難しいという話。いいねの数、閲覧数まで全部見えてしまう。特に大森さんや恐山さんは仕事に直結する部分でもあるから余計なんだろうなぁ。

・でも完全に「ほっといてくれ」をすることも、それはそれで違うんじゃないかというお話も出た。具体的に誰がどうで…という話も出たけれど割愛します。

・そして、100の「ほっとかないでくれ」に対するブレーキがあるという話も出ました。大森さんは「高校生の頃の自分」としてそれをあげられていて、世間にウケることを優先してその時の自分に軽蔑されるようなことはしたくないと言われていたと思う。恐山さんは「同僚とは、それしたらウケるけど、でも魂が穢れるよね、と話す」と。魂が穢れるが出たときに、匿名ラジオでやったところだ!と思ってました。

・どちらかに振り切れることではなくて、綱引きしながらやっていくしかないよね、となって、そうだなぁと思いました。お天道様が見ているの精神って大事なのかもなーと思ったりもしていました。



・繊細さのアウトソーシング の話

・人の悩みもインターネットにたくさん溢れているから、「自分もそう思ってるんだよ~」と乗っかれる。繊細さすら外注化できてしまう、という話。耳が痛いな~と思いながら聞いてました。

・このオモコロ記事、永田さんの「だってこれに同意したほうが感受性があるように見えるもん」にめちゃくちゃ確かにな~~と思ったのでよく覚えてて、繊細さのアウトソーシングの話が出たときに思い出してました。

・SNSに出すことが増えて、感じたことは言ったことで、そしてそれは他の人に見られることで、だから見られ方を意識してしまって、自分の感じ方まで歪めてしまっているのかもしれない。

・こうやって書いていることも、どこまでが【私】が思ったことなんだろう。


・「なんかイヤ」の話

・考えていることと言ったことがイコールになってしまっている話の中で出てきたなんかイヤの話で、「なんかイヤだな、という感情を、発言しないようにしてるとかじゃなくて、そもそもなかったことにしていないか」の話に、とてもハッとした。

・なんかイヤだな~と思っている人がなにかしらのルールに接触したとき、ちょっと嬉しくなっちゃたことがある自分のことを思い出してしまった。確かにな。なんかイヤって、表に出せなくて、でも胸にあって、でも表に出せないってことは思ってない(とした方がいいと思ってしまっている)ことで、だから表に出せる正当な理由が欲しくて、その理由を探してしまっているのかも。

・自分の「なんかイヤ」を、とりあえず自分だけはそうだよねって受け止めてあげようね。


・恐山さんが自身の管理するDisCordの話になったときに「自分は管理人として理不尽であることを心掛けていて、なんかヤだなーと思ったらBANしている。そこにルールをつけようとはしてない」という発言があって、それがとても好きだなぁと思った。

・私は、あまつき6巻の台詞でとても好きなものがあって、それを思い出した。

一人の神さんが全部決めてるなんてだめだ
神さんが 俺らの声が届くところにいちゃなんねぇよ
筋違いに――……恨んじまうじゃねぇか

あまつき6巻

・幸運にも何かを恨むような理不尽に遭遇したことはないから言えるのかもしれないけど、でもその恨みを向ける対象が手の届くところにいたら、自分がどういう行動を起こすかが怖いなと思う。きっとお天道様に顔向けできないようなことまでしてしまいそう。

・X(Twitter)が破滅するときは10mくらいある毛むくじゃらの怪物が「なんかあったから」って感じでぺしゃってして欲しいかも。実際そうなったら泣いてしまうけど、でも終わりが来るならそんなのがいいな。


・カエルとマグロとキノコ

・X(Twitter)のいいねの話。☆のお気に入りから♡のいいねになってしまったことが嫌だと恐山さんがおっしゃってた。☆には意味がないけど、♡には意味があって、そうしてプラットフォームそのものに意味が組み込まれているのが嫌だよね、という話。

・「いっそ意味なんてなくていいんですよ。カエルとかでいいんです。なんなら3つくらいボタンがあって、カエルとマグロとキノコとかにして、それぞれが自分の中だけでこの投稿はキノコだな~って思う」みたいな恐山さんの発言が、なんかとても良いなと思った。それに大森さんが返されてたように、実際にそうなったら文句を言ってしまいそうではあるけれど。

・自分の中だけの意味を持つのって、すごく難しいのかもと思った。トークイベントの中で、テレビのワイプの話が出たけれど、『感じ方』まで含めて提示されてしまっているコンテンツがたくさんあるんだなと思う。ワイプは「ほら今、楽しんでください」という譜面なんですよ、という話が出たけれど、コンテンツそのものに感じ方まで内包されてしまっていているんだな。


・全体的な話

・書き出すと、こういうことが出来ないよねー難しいよねーという話ばかりだけど、トークイベントの場の雰囲気は明るい印象で、とても良かった。お二人の語り口調が悲観的なことなく終始穏やかで楽し気だったからかな。

・2時間ほどずっと話されてて、すごいなぁと思いました。本当によどみなく話されてて、すごかった。

・このために琵琶湖のほとりから新幹線に乗ったわけだけど、配信ないし行っちゃえ!って勢いで決断した過去自分のこと、本当に褒めたい。よくやった。とても良かった。本当によかった。本当にとてもよかったです。




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