第11回 駒崎弘樹さん編

当事者意識

誰かのために何かをしたい。誰しも一度はそう思ったことがあるはずです。
高校時代の僕の後悔の1つに押し付けの善意の行動というものがあります。

高校2年の学園祭の準備作業でのことです
リーダーと一部のメンバーがラインのグループトーク上で衝突を起こしていました。リーダーはサッカー部でのチームメイトであり、僕は彼の性格も価値観も共有できていたので、それに納得しないメンバーに対して苛立ちを覚え、衝突を収め、彼らを従わせるつもりで仲裁に入ろうとしました。するとメンバーの1人に
『事情も知らない奴がしゃしゃんじゃねえ!』

そう言われてしまいました。めちゃくちゃに腹が立って仕方がなかったです。
みんなのためにやってるのに、なんで俺が怒られるのだと。

しかし後になって僕の知らない事情があったことを知りました。それだけではありません、僕が衝突に割り込んだことで話が混沌とし、リーダーの子の立場が一層悪くなってしまったのです。僕は冷静になった後で激しく後悔しました。

このことを思い出したのは駒崎さんの言葉がきっかけです。

自分の生い立ちと照らし合わせて社会の中から解決したい問題を見つけ出し徹底的に向き合い行動することで解決する。

自分の生い立ちと照らし合わせることが必要なのは、その問題に対して自分がどれだけ当事者意識を持てるかどうか、どれだけ問題に親身に向き合えるかどうかが問題解決に重要であるということだと僕は考えました。前述のトラブルにおける僕自身に決定的に欠けていた視点だったと思います。

目に見える問題が全てじゃない。問題の苦しみもわからない人間が問題解決にたずさわろうとするのは善意の押し付けに過ぎない。

このトラブルと駒崎さんの話からえた教訓です。

でも、逆に言えば問題に当事者意識を持って接することさえできれば、駒崎さんのように社会の仕組みすら変えられるほどの行動力を発揮できるということです。

そのために必要なことは生の経験だと思います。より多くの経験をすることで親身になって接せる問題が増え、より多くの社会貢献、人助けができるに違いありません。人を助ける前に自分が学ぶべきです。高校時代の自分に、そしてSFCに通う自分自身に言い聞かせたいと思います。

全11回、高校時代の自分に伝えるつもりで書きました。全国の高校時代の自分と同じ世代の人が1人でもこれを読んで、学び行動し経験することの素晴らしさに気づいてくれれば嬉しいです。

以上で僕のSFCスピリッツ創造の最終課題とさせていただきます

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