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ふたりらくご(20年11月16日 18時)

■演目
一、 明烏(小痴楽)
一、 八五郎出世(春蝶)

■所感
祝、六周年!
11/16(月)18時会は癖の強い観客が多く、ノイズの中で会場の一体感が中々作り難い環境だったが、小痴楽師が掘り起こし、春蝶師が更に更に掘り起こした上でガッッッッサリとかっぱいでいく気持ちが良い位の場外HRだった。

小痴楽師匠「明烏」。
高座に上がるやいなや止めどなく流れる某金融機関への愚痴。家族に強奪犯が居るという油断ならない環境で、何故か所持金に無頓着に育ってしまうという摩訶不思議に直面しつつ、奥様と小痴楽師の遣り取りはTHE 落語。面倒臭がりの江戸っ子が、しっかり者の奥様と一緒に何かの手続きをする珍道中。ちゃんとした場で思わず悪戯けしたくなる感じは分からなくもない。
たっぷり愚痴…枕を話した後に本編「明烏」。時次郎と親父が話し合う場での『お土産は……』の件が大好き。あとは時次郎の情けなく駄々を捏ねる姿が楽しい楽しい。小児の如くべそをかく姿は天下一品。あの高音が“小痴楽師を観た”実感が沸いて面白い。

春蝶師匠「八五郎出世」。
気持ちが良い位、根こそぎ、かっぱいでいった。その剛腕に脱帽。
正直、会場は所々で癖の強い観客がいて流れが都度止まるという事を繰り返していたが、枕で会場全体の温度を徐々に高めていき、本編の前半で笑いを、後半でキッチリ人情噺を丁寧に着実に届けた結果、最後には会場の一体感が半端なかった。全員が『良いもの観たッ!』の余韻に浸った、良い時間だった。元々、20時会も観ていく予定だったが、余韻が物凄く、噺の世界から少し戻ってきそうになかったので家に帰った。その位、良い時間。
以上

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