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「「幸せ」を掴む戦略」ができるまでの僥倖ーその2ー

<前回までのあらすじ>
厚生労働省の若者の熱意に感じ入り、年金局広報検討委員を引き受け、第一回に参加しようとしたら、のっけから場違い感にノックアウト寸前となった漢。彼の運命はいかに?!

更なる試練が漢にのしかかった。
参加者全員、どうも年金に非常に詳しいのだ。「XX号」「XX部分」と言った専門用語と思しき言葉が飛び交う中で、曖昧な笑いを浮かべながら、存在意義を自問自答する。ほぼ理解できない話が続く。背中を冷やす汗、汗、汗。

そんな最中、議事に「ナッジを活用した」というフレーズが出てきた。
ようやく馴染みのある言葉を聞いた漢は、さながら国の訛りでしゃべることを許可された朴訥な青年豚であった。
しかし、厚生労働省の皆々様は、訝るでもなく深く頷きながら聞いてくれる。

実のところ最初は、形だけ民間の声を聞いたことにしとけ!的なサクラの員数合わせに呼ばれたのではないか、という思いが胸を霞めないこともなかったが、彼らの中にはそんな気配は微塵もない。とっつきやすいおデブさんというキャラで売っているのに、なんというくだらない猜疑心を感じてしまったことか。一人だけユニ○ロコーデという恥ずかしさをあっさり忘れ、別の形で漢は自分を恥じた。

そんな広報検討委員会が何回か執り行われたのち、滑ったスピーチを聞いてくれた青年と馬鹿話をしている中で、「行動経済学をサカナに飲む」という変態的な企画が持ち上がった。
お役人との席のこととて無論一円単位の割り勘。
しかもメンバーを選ぶことこの上ない。

しかし、なぜか青年と漢は、自分のネットワークから選りすぐりの変態をセレクトすることを誓い合った。

それから時間が過ぎること約一月。
約10人の変態が溜池のレストランに集結した。その名も「ナッジをサカナに飲むんかい!!

*つまりはこの本ができるまでの物語です。

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