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思考の「見える化」

 ダイヤモンド社主催の濱口秀司さんときちりんさんによるZoom対談「こんなときだから考える力」でお話をお伺いしました。対談の中で印象的で私も日々考えている話題がありましたので、noteに書き記しておきたいと思います。

 思考のトレーニングはなぜ難しいのか、アナロジーとして野球と比較して考えてみるというお話がありました。野球であればフォームを撮影し、その様子を動画を通じて見ることによって、監督やコーチがアドバイスすることによって、改善につなげることができます。ただ、思考はその人がどのように考えて、アウトプットが出ているのか、その人の頭の中だけで完結していて、中身を見ることができません。そこが大きな相違点とのこと。

 確かに頭の中で行われる思考を見える化することは難しそうですが、濱口さんからそのための方法が紹介されていました。それは、自分の思考をスローモーションで観察しながら書き出すということです。例えば、会社で何か新しいアイデアを提案してと言われた時に、自分の頭がテーマと関係ないことも含めて何を考えてどう反応したのか逐一観察し、メモに書き出し言語化するのです。

 私もアイデアを出す際にその方法を試しでやってみました。テーマは「オンラインでエンタメを活性化するには?」以下はそのテーマを見て考えたことの記録になります。
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・エンタメってそもそも何? 劇、アニメ、お祭りのことかな。
・リアルで舞台を見ている光景が再現される→あの熱気はすごいな。
・オンラインで舞台を見るのを想像してみる。オンラインであの熱気を再現できるのか。声援や臨場感がなくて寂しいな。
・プロ野球も無観客でやっていたな、でも楽天はオンラインで応援やっていたな。テレビで見ていたけど意外と楽しそうだった。
・他のエンタメの楽しみ方も応援やファンの一体感なのかもしれない。同じように家でも他のファンと一緒に応援できる環境を作れればオンラインならではの熱気を再現できるかも。
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 トータルで1分弱の出来事です。通常であれば最後の「オンラインでも他のファンと一体に応援できる環境構築が大事」と考えた結論が表出されるだけですが、そこに至るまでには、様々な事柄が頭の中を駆け巡っている訳です。思考は直線的なようでシッチャカメッチャカですし、なぜそれを思いついたのかも説明できません。だからこそ、人の思考は面白いし、代替不可能なものなのかと気付かされました。さらに、書き出した後に、全体を俯瞰して抽象度を上げて考察すると、思考の癖の一片が見えてきました。

・いきなり答えを出す前に問いを理解するのに時間をかけている。色んなケースを当てている。
・すぐに答えが出ない場合、趣味など関心の高いフィールドに置き換えて考えている。それを転用して答えを出している。

といったことです。思考を見える化することはすごく難しい、でもそのプロセスを言語化して、観察することでその一片を垣間見ることができる。当たり前にやっていることを丁寧に観察することで自分の思考の新たな一面を発見することができました。非常に示唆に富む濱口さんときちりんさんのウェビナーでした!

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