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話し方のスタンスについて 〜「綱渡り型」から「波乗り型」へ〜

 私は人と話すことについて小さい頃から苦手意識がありました。高校生位までは人との会話を避けて勉強だけできればよいと思い机にひたすら向かっていました。けれども、大学生になると人との会話を通じて関係性を構築し物事を進めていく必要性を感じ、今後生きていく上で人と話すことは避けて通れないと痛感しました。いわゆるコミュニケーション能力を上げるために本を読んだり、講座に参加したりと自分なりに勉強したりもしました。それでも、望むようにスマートに話すことができないし、そういう機会に参加するたびに落ち込むこともありました。

 ただ、昨年より議論メシというオンラインコミュニティに所属して、多彩な背景を持つ方々とディスカッションする中で、ある時気づいたのです。私はいかに上手に話すことにのみフォーカスしていて、間違ったことを言ってはいけないと無意識に思っていました。声に発する前に頭の中でシュミレーションを行い、話しても問題ないと確認してから声に出していたのです。まるで「綱渡り」をしている時のように一歩一歩安全を確かめてから話していたのです。人と上手に会話を行う上では間やテンポが重要だと思っていて、変な間があったりすぐにレスポンスがないと、相手との関係性をうまく築けないとも感じています。「綱渡り型」だとどうしてもその点の難しさを感じるようになりました。

 そして、話す時にある程度間違えることを前提に思ったことをストレートに、まるで「波乗り」するかのように話していく必要があるのではと思うようになりました。正解かそうでないかを考えるのでなく、感覚に身を任せて話すというものです。綱渡り型で話していた側からすると、当然勇気のいることでもあります。
 でも、間違ったことを言ってしまったら訂正すればいい。もし言葉に途中で詰まったら、「すみません、まとまっていなくて」とか「話すこと忘れちゃいました」と言えれば問題ないと思う。それを心から言えることが大事なのです。そうしないと相手との関係性やディスカッションも深められないと思うようになりました。

 つまり、「波乗り型」とは、一歩一歩探るように進むのでなく、波に乗るようにとにかく体に身を任せて来た波に乗るイメージです。次の瞬間に波にのまれるといちいち考えていては波に乗ることなんかできない。
 でも「綱渡り型」で話してきた人によってスタイルを変えるのは競技を変えるような過酷さを伴うものだと思います。けど、少しずつ地道に変えられるようにしていきたいと今は強く思う。

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