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自分のことは誰もわかってくれないと思っている人へ

DaiGoのYoutubeのなかで、脳は基本的には普段情報量を自分に関係があるものに制限している、もし全ての情報を収集していたら脳が情報量のパンクをすると言っていて、であれば、誰かに自分が考えている同じことを理解してもらおうと思うのは基本無理なんじゃないかと思った。

ということで、"だれもわかってくれない"を読んだ。論拠を用いながら、心理学の現象を説いている。

人事業をやったり、仕事でマネジメントをやっていると(かれこれ8年くらい)、物事は基本的に中立なものであり、それをいいというか悪いというかは基本解釈(以前講演で話した内容) である。なので、言語や行動は常に人の解釈を経て意味を与えられるのだから、人の解釈の心理を理解することが人間社会を生きていくに際して重要だと思っている。

ただしかしこれは、とても難しい。

なかなかのできだった、と大統領は思いました。共和党大統領候補ミット・ロムニーの最初のディベートを終えてステージを降りた時、オバマは「勝ったら」と思っていたのです。選挙対策チームと打ち合わせた通り、揺るぎない確固とした「大統領の威厳」を見せることができたと思ったからです。(中略)あとで彼は、事実を知らされてショックを受けます。ディベートを聞いた国民の多くが、オバマは「無気力でやる気が感じられなかった」というのです。(中略)オバマの評価は散々で、彼の最も熱心なサポーター達の評価でさえ低いものでした。ディベート直後に行われたCNNの世論調査では、視聴者の67%がロムニーの勝利と答え、オバマの勝利と答えた人はわずか25%でした。

オバマでさえ失敗するのだ。Brexitとか、トランプ当選とか、トイレットペーパー買い占めとか、意味不明だと思うが、これは冒頭のように、脳は省エネしているので、意識を向けてない限り人はちゃんと考えることは不可能なんだと思う。

人はあなたの行動を目にした時、状況全体に注目するのではなく、パーソナリティ、能力、道徳性、特性など、あなたに関する何かと結びつけて考える(対応バイアス)
人はあなたの行動を見ると、自動的に簡単な推測を行います。ショートカットやステレオタイプなどの「ヒューリスティクス」を使って、その行動を理解するのです。

人は、小さい頃から形成されているメンタルモデルにはめて物事を見るということと、人は視覚優位(視覚(目)87.0%、聴覚(耳)7.0%、嗅覚(鼻)3.5%、触覚(皮膚)1.5%、味覚(舌)1.0%)ということがあるように、視覚情報をメンタルモデルにはめることによって、脳を省エネして、相手のことを考えずに、結論づけていることは知っていたが、やっぱりそうなんだなーって。

その上で気をつけなければと思ったのは

力のある人は弱い立場の人にたいする見方が歪む可能性がある一方で、弱い立場の人は強い人にたいする見方が歪むことは滅多にない

ということ。自分が偉いとかそういうことではなく、歳を老いたり、くらいが上がったりすると、これって発生してしまうことだ。

パワーを自覚している人は、そうでない人に比べ、「動作共鳴」がはるかに少ないのです。この信じられないほどに巧妙な脳の構造は、人間がその進化の過程で、他の人間たちの考えや感情を知るために発達したユニークな仕組みなのですが、パワーのある人の場合は、この動きがすっかり鈍っています。認知のエネルギーをケチって、概略だけわかればいいと思っているからです。

社長が自分を理解してもらえなかったと思う役職者は、きっと部下を理解していないし。上司が理解してくれないという人は、きっと大学生を理解していないし。社会人は大学生を理解していないという人は、きっと今の高校生を理解していない。

これは脳の特性だから悪いものではないのだが、こういうことであるという理解をした上で、動作共鳴を意識的にでもいいので取り戻すことが大事そうだ。

最初の問いに戻ると、相手に自分を理解してもらうことは無理ではないけど、そのためには動作共鳴を取り戻すために、謙虚になって、自分を理解して、相手を理解して、尊重して初めてできることなんだろう。

ここまで来た時に、この論法ってそのまま"7つの習慣"の内容なので、だからこそ名著で語り継がれるのだろうと思った。


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