見出し画像

SFCで一番記憶に残ったお金の授業

SFC卒業して10年以上経つ。SFCの価値は時間がたてば経つほど感じるし、その度に、もっと上手く使えばよかったなぁと思う。あまり過去は振り返らないのだが、これは数少ない後悔ポイントの一つだ。

そんな中、私が一ついまだに感謝していて、鮮明に覚えている授業がある。それが"アントレプレナー概論"だ。ある時授業でチームを組まされた上で、「今から課題を配ります」といって前の方から回ってきた。回ってきたのは1000円だった。1000円が回ってくる絵図が斬新すぎて今でも覚えている。

そして、「今から2週間後の授業までに、お金をできるだけ増やしてください、そして2週間後に1000円は返してください」と言われた。

私のチームは当時、学生サークルや研究室の代表が多かったというアセットと、お金が増えるものを買おうという考えから、WFP(国際連合世界食糧計画)から募金箱を購入(数百円だったと思う)して、大学キャンバス内を練り歩いたり、大規模講義の教授に事前に連絡とって授業内でアナウンスさせてもらったり、出口で待機させてもらったりしながら、2週間の中でとにかく募金活動に費やす戦略にした。

課題発表から一週間後の中間発表時、それぞれのチームは本当に色々なことをしていた。ギャンブルに使う人、株を買う人、奇を衒ってお金を印刷する人、焼きそば屋をやるための原価とする人・・・。当時学生ながらどういう人がいるのかと観察していて、賭博型・屁理屈型・消費型・投資型みたいに考えて分けれるなぁと考えていたのだが、みんな大学生というリソースで二週間で成果を出す方法を当時思いつかず全ての型が失敗してた。

結果、私のチームの結構堅くお金を増やす方法が功を奏し、着地5万円くらいになって優勝だった。(ちなみに最終プレゼンの締めで、私は教授から渡された1000円を募金箱に入れて、プレゼンが盛り上がって終えたことも覚えている)

ただ、私は優勝してもあまり嬉しくなかった。これは誰かに価値を与えた対価に対するお金ではなく、当時の信頼を切り崩しながら、善意の交換をしてもらったお金にすぎなかったから。

ここまで読まれた方で既にご存知の方もいるかもしれない。これは20歳の時に知っておきたことにもある、スタンフォードの有名講義のパクリだ。私はこの授業の後にこの本に出会った。そこには私が思い描いた価値への対価のお金のアウトプットがいっぱい書かれていた。スタンフォード内で自転車の空気を入れる・行列店の列に並んであげる・スタンフォードの学生を売って家庭教師をする・・・。

この本を読んだ時に、思ったことは下記だ。
- 自分がアクセスできる相手の何がニーズなのかを徹底的に掘ること
- 自分の価値は何かを理解すること
- そして1000円に囚われた人は負けるということ

自分(自分が所属する団体)の価値が何か、自分が手の届く相手のニーズは何か、価値の交換なのか、信用の引き落としなのか、ただの消費なのか、それを問うようになったのは、良い勉強だった。

娘にはそういった遊びをいっぱいしたいなと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?