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中東の紛争のからくり

池上彰の世界の見方中東を読んだ。この一冊で、アメリカvsソ連 / ユダヤ教vsキリスト教vsイスラム教 / 過激化組織の原点 / 石油の戦い / 移民・難民が一気にわかる。いつか子供に絶対に読ませようと思う。

結構歴史認識間違ってたとこもあって、例えば第二次世界対戦。

ソ連では、ドイツの侵略を受けて2700万人その人が死んでいるんですね。日本の戦死者は約300万人。

これがトラウマになったソ連は、国境の向こう側に味方になる国をたくさん作りたくなる。国土が広いので、味方をとにかくいっぱい作らないといけない。

これを皮切りに、下記が一斉に起きたのが第二次世界大戦以降。

▼アフガニスタンの火付け
アフガニスタンの内戦に、隣接緩衝国の味方を作りたいソ連が参画、それをみたアメリカがソ連の体力を削りたいからパキスタン経由でアフガニスタンに武器を送り、ソ連を潰す。その時アフガニスタンをソ連から守るためにサウジアラビアから参加したのがビンラディン。ビンラディンみたいな人たちの名簿管理していたのがアルカイダ。

▼過激派の誕生
ソ連が撤退したのをみてアメリカも撤退、荒れ地で残ったアフガニスタンを統治しようとした隣国パキスタン(隣国インドと仲が悪いので、挟まれたくなかった)が、アフガニスタンの子供を武器を渡して過激派教育したのがタリバン。

▼湾岸戦争とビンラディンの過激派参画
一方でイラクが石油をクェートから取り返したくて侵略をしたときに、隣国のサウジが アメリカに SOSを出したことでパパブッシュが多国籍軍を作って湾岸戦争を開始。アメリカvsイラクになるとキリスト教vsイスラム教になってしまうことを配慮し多国籍軍にしたり、イラクを統治しているフセインがうまくバランス取ってたので殺さなかったりと言う配慮をした。キリスト教のアメリカが神聖なサウジアラビアに入ることを反対したビンラディンはサウジの国王から追放されて、彷徨った結果アフガニスタンへ。アメリカへの報復を決める。イスラム国。

▼9.11とブッシュJr.のフセイン殺害による弊害
怒ったブッシュがアフガニスタンを壊滅させ、アルカイダは散って、フセインを殺してパパブッシュの配慮を台無しにする。フセイン(スンナ派)を失ったイランはスンナ派とシーア派のバランスが崩れてシーア派がスンナ派を殺戮開始。そんなスンナ派に手を差し伸べるのは過激派イスラム国。

▼アラブの春の影響を受けたシリアの民主化内戦
アサド政権とそれに反発する内戦。ロシアは隣国の緩衝国を作る&凍らない港が欲しいから参画。それをみてまたアメリカも参画。その戦いに武器が欲しいイスラム国も双方を攻撃するポジションで参画。乱戦に。(カオスすぎる)

▼難民・移民問題へ
そんなシリアからは大量の難民がヨーロッパへ脱出。受け入れ態勢の良いドイツやイギリスを目指してシリア民が大移動を始める。受け入れ先で激論になる。

見方によってはアメリカとソ連の戦い巻き込まれた感がすごい。きちんと歴史認識を持ちながら、日本の戦争に対する考え方とか、日米安保とか、北方領土問題を考えなければ、いいように使われちゃうなぁと思った。

そう言う意味では、安倍さんはいろいろ批判はあるけど、少なくとも外交はうまくやってるんじゃないかと思っております。(あくまで個人的な意見)

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