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マイクロファイナンスは貧困を無くせるか

マイクロファイナンスを学びたくて、結構前の本だが歴史の変遷を知るためにもマイクロファイナンスのすすめを読んだ。この本では、グラミン銀行のみならず、各国のマイクロファイナンスの事例を、具体的な数字とセットで書いてあるので2008年時にどうだったかがよくわかる。(日本語の本で直近この分野でいい本が見当たらなかった)

2008年2月までの間にグラミン銀行は745万人(うち、女性が97%)の貧しい人たちに68.2 億ドル(約7230億円。2008年7月1日の為替レート1ドル=約106円で換算。)の融資をし、融資残高は5.5億ドル(約580億円)。預金残高は7.6億ドル(約810億円)、預貸率(貸出金残高/預金残高)は65%になる。2008年の融資計画額は、8.7億ドル(約920億円)、月平均で7287万ドル(77億円)を見込んでいる。

1983年に始まったグラミン銀行は25年かけて積み上げてきた数字がこれだ。グラミン銀行は通常の銀行とは異なるのだが、

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融資先を人口の下層25%、特に最も貧しい女性に焦点を当て(実際借りての97%が女性)、少額ローン(3.5万円~180万円くらい)を無担保で保証をしている。その代わり、5人1人組のグループローン(1人が返済を終えないと、次の人が借りれない)にすることによって、貸し倒れを精神的な防御層が張られている。ちなみに金利は10%強とすごく安いわけではない。特筆すべきは債権管理がかなり優しいのに、貸し倒れ率は1.78%とものすごく低いこと。

日本では今調べても2019年に始まったグラミン日本くらいしかコリっとしたものが見つからないのに、2008年時点で世界130ヵ国以上において実施されていたようだ。(アメリカのアクシオンとか面白い)

過去10年間に494万人に123億ドル(約1.3兆円)を融資したうち、894人のマイクロファイナンスの借り手に3年間の実態調査を行なった結果、彼らの所得は平均で1月当たり455ドル(約5万円)、38%増加した。またひと月当たりの平均利益が47%増加したことが報告されている。

とインパクトの実証もされている。前回調べた BI(コロナから考えるベーシックインカム)といい、この辺りはやりようありそうだよなぁと思います。

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