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負の数の計算を定義する
ふつう、中学校で習う「負の数の演算」は借金などの例を用いて次のように説明されます。
500円の借金をしているAさん、このAさんはまた500円借金をしてしまいました。ではこのAさんの借金は総額何円でしょうか。もちろん答えは1000円の借金ですよね。このことから(-◇)+(-〇)=-(◇+〇)だということがわかります。
経験的に求めるこの説明でも十分に納得できます。
ただ!!
すべての実数でそれが成り立つのかということです。
それを「当たり前」だと片づけるのはもったいないと思います。
ということで今回は、負の数の演算をしっかり説明したいと思います。
1 負の数の定義
ここでは実数aに対して負の数を次のように定義します。
① -aとはa+x=0を満たすxの値
この定義は、「『-』の数はその数の『-』を除いた数を足して0になる数」ということを表します。
また、この定義のほかに次のことを定義します。
② -a=-1×a
これを使い、下の式が成り立つことを示します。
・-(-a)=a
・-a+(-b)=-(a+b)
2 -(-a)とは
上の定義より$${-(-a)}$$というのが何かを下のように簡単に導くことができます。
$${-(-a)}$$は( )内の$${-a}$$を一つの塊と見ます。すると$${-(-a)}$$というのは定義①より$${-a}$$(「$${-(-a)}$$」から「-」を除いた数)を足して0になる数であることがわかります。
よって、$${-(-a)}$$とは
$$
-a+x=0
$$
を満たす$${x}$$の値だと分かります。
なぜなら、$${-a}$$と足して0になるのは$${a}$$だと定義①で示されたからです。
よって、$${-(-a)=a}$$ということが示されます。
3 負の数の足し算
次に、$${-a+(-b)=-(a+b)}$$を示します。
まず、定義②より式は次のように変形されます。
$$
-a+(-b)=-1\times a+(-1)\times b
$$
次に分配法則より
$$
-a+(-b)=-1\times a+(-1)\times b=-1\times (a+b)
$$
最後に$${a+b}$$を一つの文字とみなしたら定義②より$${-a+(-b)=-(a+b)}$$が成り立ちます。
いかがでしょうか。中学生の時は、何も考えずに「負の数」を使っていたので、こうやってしっかり定義すると腑に落ちますね。
負の数の「乗法」いわゆる「かけ算」は下の記事で紹介しているので是非見てください!
最後まで見ていただきありがとうございました。
[この記事は、個人的な見解を含むので誤りが含まれている場合があります。誤りの部分についてはコメントでご指摘していただけると幸いです。]
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