【うんこ】慣れと寛容【大噴射】

この仕事をしていると、他人の排泄物にどんどん寛容になっていく。
(人によるかも知れないけれど)

職場では基本的にどこかに誰かしらの唾液が零れているし、排尿排便のコントロールはバグっているし、時々自身の血液を見て恍惚としている人もいる。勿論このような時世じゃなくとも感染症には過敏に気を遣わなくちゃならないので直接触れたりはしないけれど、しかし、他人の排泄物に対し当たり前に持って然るべき嫌悪感というのは、自分にはかなり足りていないだろうな思う。
(施設ではソーシャルディスタンスの確保は完全に無理だが生活環境の清潔はしっかり保っています)

この言い方が果たして"大丈夫"なのかは分からないけれど、ペットのうんこを始末する事に対してとくに嫌悪を感じない飼い主と感覚は近い。
この言い方、多分大丈夫じゃないな。あくまでそのくらいの感覚で排泄物の処理ができますよという話であって他意はない。

今日は永久にうんこが止まらない人がいて、俺は風呂当番の日だったのでうんこが止まらない人をうんこが止まってないまま入浴介助をしたのだが、これがもう面白いくらいうんこが止まらなくてただただ笑えてしまいただただ笑っていた。
ホースの先を細くして圧を強めた水くらいの勢いでケツから飛び出して来るシャビシャビのうんこを「あらまあ〜〜〜」と言いながら排水溝に流した。流したら終わりだ。寛容。

他人の屁の音で爆笑する利用者がいて、俺はその人のことが大好きなのだが、俺の屁は基本的に無音なので「かましてやるぜ!」と思ってもなかなか笑いが取れない。
デカい音であればあるほど面白いらしい。寛容、かつ愉快。

寛容。

これ福祉に必要なスキルだと思うのだけれど、このスキル基本的に標準装備されていなければ獲得が難しいものだから未装備の人は【うんこ】に対して【怒り】のコマンドしか選択肢がないらしい。
今日も怒っている人がいて、俺はただ「あらまあ」と笑っている事しかできなかった。勝手に怒っていて勝手に笑っているだけだ。
笑って全てを流していく。俺の持っている唯一の強さです。

「よくない事」を見逃すのは愛になり得るし、見逃さないのは凶器になり得ると時々思う。

だってうんこって出ちゃうんだからしょうがないじゃんね。

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