男性型脱毛症にはインスリン抵抗性よりもアディポカインのバランス、ビタミンD摂取のすすめ
<メモ>
血液中の炎症性アディポカインであるレプチン濃度の上昇、抗炎症性アディポカインであるアディポネクチンとレプチン濃度比の低下はAGAの独立した危険因子であること。
そして、ビタミンDが不足している人は多く、男性型脱毛症患者では特にビタミンDを補充しても良いかもしれない。髪が生えてくるかどうか別にして。
<コメント>
なお、レプチンは肥満、高脂肪食、加齢で増えるとのこと。
私も食事を見直してみたら脂質を取りすぎだった。
糖質制限よりも脂質制限の方が良いかもしれない。
<紹介論文>
Wu, YiFan, et al. "The Association of Serum Adipokines, Insulin Resistance and Vitamin D Status in Male Patients with Androgenetic Alopecia." Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology (2023): 419-427.
要約
背景:男性脱毛症患者で肥満とメタボリックシンドロームを合併していることは、アディポカインが関与している可能性がある、共通した病態の存在を示唆しているかもしれない。
方法:80名の男性型脱毛症患者と60名の健常男性を対象に、インスリン抵抗性の有無で割りつけた。そして、すべての対象者の血清中のレプチン、アディポネクチン、レジスチン、ビスファチン、インスリンと25-ヒドロキシビタミンDの濃度を測定した。
結果:健常男性と比べ、男性型脱毛症患者では血清レプチン濃度が上昇し、アディポネクチン/レプチン濃度の比が低下していた。そして、インスリン抵抗性のない男性型脱毛症患者と比較すると、インスリン抵抗性のある男性型脱毛症患者では血清中レプチン濃度が上昇していた。
インスリン抵抗性のある集団とない集団をそれぞれ比較すると、いずれも男性型脱毛症患者では健常男性よりもアディポネクチン/レプチン濃度の比が低下していた。
多因子ロジスティック回帰分析の結果、アディポネクチン/レプチン濃度の比の上昇は、男性型脱毛症の危険因子になること、そして男性型脱毛症患者では健常男性と比べビタミンD濃度が低いことが分かった。
結論:男性型脱毛症患者では炎症性アディポカインと抗炎症性アディポカインの間のバランスが崩れており、それが病気の発症に関わっているかもしれない。インスリン抵抗性はアディポカイン濃度に影響を与えるが、この研究結果からは男性型脱毛症の発症との関係は証明できなかった。ビタミンDの不足または欠乏は私たちに関わる共通した汗疹事項であり、脂肪細胞の機能低下や男性型脱毛症の発症にも関わるかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?