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藤原元命

 藤原元命(藤原北家魚名流)は、花山天皇の側近であった藤原惟成の叔父で、尾張国守に任命された。

 赴任先で、女性に会いに行く時、尾張国鳴海の地獄沢(愛知県名古屋市緑区)において、橋が無かったので、近くの地蔵菩薩が彫られた卒塔婆を石橋にして踏んで谷川を渡るが、仏罰により絶命した。

 閻魔大王は、地獄行きを命じるが、そこに地蔵菩薩が現れて助命嘆願し、生き返った。今風に言えば「黄泉がえり」「臨死体験」か。

  仏を踏んで助かりぞする 谷川に回る方無き卒塔婆橋

藤原元命の悪政を訴える31ヶ条の解文の本文(書き下し文)
藤原元命の悪政を訴える31ヶ条の解文の後文(原文)

 しかし、悪政を訴える31ヶ条の解文「尾張国郡司百姓等解文」が提出され、花山天皇の退位、出家に伴う甥・藤原惟成の失脚、出家もあって、任を解かれた。
 任を解かれた国司は数多くいるが、藤原元命が高校日本史の教科書に載るほど有名なのは、「尾張国郡司百姓等解文」の後文が名文で、書き写されたことによろう。


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