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杉浦国頭『曳駒拾遺』「御前谷」
ゆきゆきて、遠つ淡国の国さかひ、本坂の関、うちこゆる。いつか乗りけり、三ヶ日や、昨日の淵は今日の瀬と、かはるならひに吹きよする、みる目はいかに猪の鼻の渡りに舟をやる水と、身の行末ぞたのみなく、わたしし黒木中絶へて、名のみぞ残る浜名ばし、こもれるうきを引く細江、やがて危きふち郡入野の川のひむがしの岸辺に深き大等が谷、浮び瀬のなきところにぞ、御舟は横に着にける。
岡崎を出た築山御前は、三遠国境の本坂峠を越えると、三ヶ日から舟に乗り、佐鳴湖畔の「大等が谷」(現・御前谷)に着いた。
1.築山御前と「御前谷」
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