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安倍晴明と狐、どっちが強い?

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 ──安倍晴明と狐、どっちが強い?

と聞かれても、妖狐にはレベルがありますから。明智左馬助が出会った「人に憑依する方法は知っていても、恫喝されて逃げ出すような下級の狐」なら安倍晴明の敵ではありませんが、最上級の「天狐」レベルになると、安倍晴明でも苦戦すると思います。

 ある時、御所に化け物が現れました。僧侶に加持祈祷を頼みましたが効き目がありません。「仏教がダメなら陰陽道で」と、安倍晴明に退治依頼が来たそうです。安倍晴明は、化け物の正体が妖狐であることを突き止めましたが、霊力がすさまじく、「自分では倒せない」と言ったそうですが、安倍晴明しか頼れる人がいませんでした。それで、安倍晴明は修行を始めました。

 ──どこで?

 単純に考えれば、京都の寺社でしょうけど、安倍晴明が選んだのは、なんと、奥三河(愛知県東部の山間部)でした。ゼロ磁場「百間滝」(愛知県新城市大野)近くの日本の滝100選「阿寺の七滝」(愛知県新城市下吉田沢谷下)──不動明王が祀られる熊野修験の地(熊野権現の修行者の修行の場)。そこから北へ行けば、稲荷神(飯綱権現)の本拠地・飯縄山(信濃国上水内郡)──。

 「阿寺の七滝」は、「7筋の滝」ではなく、「7段の滝」です。下から
・霹靂(へきれき)滝(落差9m)
・虎嘯(こしょう)滝(落差13m)
・龍攘(りゅうじょう)滝(落差7m)
・長霓(ちょうげい)滝(落差25m)
・雄飛(ゆうひ)滝(落差2m)
・素練(それん)滝(落差4m)
・敲壺(こうこ)滝(落差2m)
という呼び名があります。安倍晴明は、上から3段目の雄飛滝に打たれて霊力を高めると、御所へ参内し、妖狐と対決して、見事、退治したといわれています。

 この修行中の宿泊所が丸山屋敷で、「晴明屋敷」「清明さん」と呼ばれています。「地(じ)の神様」(東三河~遠州地方にかけて、家の北西端に祀られる神)の横に「鎮宅霊符神」の祠があります。また、「晴明井戸」がありましたが、今はコンクリートで固められています。ともあれ丸山さんにいただいた井戸水が超絶美味しかったです!

「「鎮宅霊符神」は、妙見菩薩や天御中主神と同体とされる北極星を神体化した神で、陰陽道の最高神とされています。平安時代、御霊信仰が広まると、陰陽師には、悪霊退散のための呪術(霊符呪術のような道教色の強い呪術)が求められるようになりました。安倍晴明を祖とする土御門神道のご祭神は、泰山府君、鎮宅霊符神、安倍晴明であり、閑臥庵(京都市北区)の鎮宅霊符神の祠堂には、安倍晴明が開眼したとされる鎮宅霊符神像が祀られています。」(東海ミステリー研究会『遠州・三河の安倍晴明』)

 丸山家の当主は、今でも「晴」の字を使って「丸山晴某」と名乗っているそうです。「晴」は、「日」と「月」を含み、「これで「星」があったら、三光が揃うのに・・・残念」と思っていたのですが、ある時、「晴」も「星」も「せい」と読むことに気づきました。

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