テストによく出る「素腹の后」(『大鏡』) 2 レコの館(やかた) 2024年5月9日 16:54 この大納言、無心のこと一度ぞのたまへるや。御妹の四条の宮の后に立ち給ひて、初めて入内したまふに、洞院のぼりにおはしませば、東四条の前を渡らせたまふに、大入道殿も、故女院も胸痛く思しめしけるに、按察大納言は后の御せうとにて、御心地よく思されけるままに、御馬をひかえて、「この女御は、いつか后には立ちたまふらむ」 と、うち見入れてのたまへりけるを、殿を始めたてまつりて、その御族やすからず思しけれど、男宮おはしませば、たけくぞ。よその人々も、 「益なくものたまふかな」 と聞きたまふ。 一条院、位につきたまへば、御女、后に立ちたまひて入内したまふに、大納言殿の、亮に仕まつりたまへるに、出だし車より扇をさし出だして、 「やや、もの申さむ」 と、女房の聞こえければ、 「何事にかとて、うつ寄りたまへるに、進の内侍、顔をさし出でて、 「御妹の素腹の后いづくにかおはする」 と聞こえかけたりけるに、 「先つ年のことを思ひおかれたるなり。みづからだにいかがとおぼえつることなれば、道理なり。なくなりぬる身にこそとおぼえしか」 とこそのたまひけれ。されど、人柄しよろづによくなりたまひぬれば、事に触れて捨てられたまはず、かの内侍のとがなるにてやみにき。 【光る君へ】第18回「岐路」回想 「皇子を産め!」“定子のサロン”で苛烈な真実 「新楽府」の為政者批判を学ぶまひろ、のちに宮中で生かす? 「素腹の中宮」と妹を面罵する兄 大河ドラマ「光る君へ」、第18回「岐路」。今回のクライマックスはやはりこの場面でしょう。鬼 artexhibition.jp ダウンロード copy #光る君へ 2 記事は日本史関連記事や闘病日記。掲示板は写真中心のメンバーシップを設置しています。家族になって支えて欲しいな。 記事をサポート