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津島神社の境内社

《本社》---------------------------------------------------------------------------

・明治の神仏分離令以後:津島牛頭天王社(祭神:牛頭天王=蘇民将来)
・明治の神仏分離令以後:津島神社 (祭神:建速須佐之男命)

《摂社》---------------------------------------------------------------------------

居森社         祭神:建速須佐之男命幸御魂
柏樹社(柏宮、柏社)  祭神:建速須佐之男命奇御魂
和御魂社(蘇民社)   祭神:建速須佐之男命和御魂
荒御魂社(蛇毒神社)  祭神:建速須佐之男命荒御魂
八柱社(八王子社)   祭神:五男三女御子神
彌五郎殿社(國玉神社) 祭神:武内宿禰命(大穴牟遅命)

《末社》---------------------------------------------------------------------------

多賀社         祭神:伊邪那岐命(建速須佐之男命父)
熊野社         祭神:伊邪那美命(建速須佐之男命母)
塵社          祭神:聖神(山ノ神)
稲荷社         祭神:宇迦之御魂神
久斯社         祭神:少名毘古那神(医薬の祖神)
庭津日社        祭神:庭津日神(屋根御前、八子御前)
龍田社         祭神:支那津比古命
忍穂耳社(星宮)    祭神:正哉吾勝々速日天忍穂耳命(眼病治癒神)
戸隠社         祭神:手力雄命
内宮          祭神:天照大神
外宮          祭神:豊宇気比売命
多度社         祭神:羽山戸神
船付社         祭神:庭高津日神(船着御前)
大社          祭神:大山咋命(大社御前)
児之社         祭神:若年神(児御前、幼児生育の神)
米之社         祭神:宇迦之御魂神(米之御前、五穀豊穣の神)
熱田社         祭神:日本建命(五穀豊穣の神)
大歳社         祭神:大年神(矢之御前)
愛宕社         祭神:迦具土神
橋守社(橋姫社)    祭神:猿田彦命(天王川の天王橋の守神)
秋津比咩社(祓戸社)  祭神:速秋津比売命(王御前)
滝之社         祭神:弥豆麻岐神(みずまきのかみ。瀧御前)
大屋津姫社       祭神:大屋津比売命(當下御前)
若宮社         祭神:尹良親王(若宮御前。元は事代主命)
大国玉社        祭神:宇都志国玉命
稲田社         祭神:櫛名田比売命(一王子社)
照魂社         祭神:国事殉難者
菅原社         祭神:菅原道真公
疹社          祭神:建速須佐之男命和御魂(はしかのやしろ)
大日孁社        祭神:大日孁貴命

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 本社の境内にある小社「境内社」のうち、本社の祭神に近い祭神を祀っている境内社を「摂社」、遠いか無関係の祭神を祀っている境内社を「末社」(稲荷社、愛宕社/秋葉社といった流行神が多い)と言います。

※津島神社では、創建以来、御祭神である建速須佐之男命を祀った社をすべて残しているため、境内の6社で建速須佐之男命を祀っています。この6社にお参りする事を「津島神社六社参り」と言います。

 本社の性格を考える場合、「摂社」についての考察も重要です。

和御魂社(蘇民社)   祭神:元津島①蘇民将来=牛頭天王
居森社         祭神:元津島②牛頭天王(蘇民将来)
柏樹社(柏宮、柏社)  祭神:元津島③牛頭天王(蘇民将来)
荒御魂社(蛇毒神社)  祭神:牛頭天王の妻(八岐大蛇の霊とも)
八柱社(八王子社)   祭神:建速須佐之男命と天照大神の御子神
彌五郎殿社(國玉神社) 祭神:彌五郎殿社の武内宿禰命
               國玉神社の大穴牟遅命(大国主命)

※頗梨采女:牛頭天王の妻。蛇毒神。八大竜王・娑伽羅龍王の娘であり、八王子神(八将神)の母。素戔嗚尊の后・奇稲田姫と同一視された。

 牛頭天王(蘇民将来)が最初に祀られたのは高津の湊の居森(欽明天皇期)で(老女が霊鳩の詫によって森の中に居え奉った事により「居守社」といわれる)、次に柏の古木が1本生えていた柏森(村上天皇期)に遷りました。(最初は蘇民社とも。)

和御魂社(蘇民社):姥が森(愛知県愛西市町方町)に蘇民将来を祀り、「蘇民社」(現「姥社」)と称していた。古伝に「素盞鳴尊来臨の時、此所にて老嫗神託を蒙りしゆゑ社を建つ」とある。昔は岩窟があって蘇民将来の末裔が住んでいたとも伝わる。祭日は1月4日で、「茅の輪くぐり」が行われる。(明治維新までは「姥社」に焼団子をお供えしていたという。)

居森社(居守社):古伝に「天王、始て来臨し給ふ時、神船を高津の湊の森に寄せ奉りけるに、蘇民が裔孫なりといへる老女、霊鳩の託によりて森の中に居ゑ奉りければ、里民参拝して森に居給へりといひける故、今社号となりたる」とある。

 その後、堀田弥五郎光泰が後村上天皇期の1346年に、「左太彦宮」を建てました。人々は、豪華な社殿を見て驚き、寄進者・堀田弥五郎光泰の名から「弥五郎殿社」と呼んだとのことです。(他所の「弥五郎殿社」の御祭神は、弥五郎殿=武内宿禰命ですが、ここ津島の弥五郎殿が建てた神社の中身は、式内・國玉神社(大国主命)とされますが、社紋は尾張国一宮・大神神社(大物主大神)の「三本杉」で、式内・國玉神社は居森社だとも。)

 後亀山天皇期の1381年に、弥五郎殿社(國玉神社)の横に豪華さを競うように柏樹社を遷して「津島牛頭天王社」と称する神社を建てたのが大橋定省です。津島神社の発展は、津島港で暮らす商人発展の象徴です。周囲の神社や流行神も取り込んで、境内社の数も増えていったことでしょう。

 明治の神仏分離令以後、津島神社と称し、祭神は建速須佐之男命に変わり、仏教的な部分は天王山宝寿院として分離しましたが、実は、牛頭天王夫妻がこっそりと和御魂社と荒御魂社に祀られています。

末社で注目すべきは・・・

稲田社         祭神:櫛名田比売命
疹社          祭神:建速須佐之男命和御魂
大日孁社        祭神:大日孁貴命

この3社は摂社でもよろしいかと。
 『浪合記』には「牛頭天王、八王子、一王子、是れ津嶋三所と云ふ」とあります。牛頭天王社は本社、八王子社は五男三女神(建速須佐之男命と天照大神(大日孁貴命)の御子神)、一王子社(現在の稲田社)は櫛名田比売命(建速須佐之男命の妻)で、寛文年間までは本殿相殿に祀られていました。

橋守社(橋姫社)    祭神:猿田彦命
秋津比咩社(祓戸社)  祭神:速秋津比売命
滝之社         祭神:弥豆麻岐神

この3社の御祭神は、瀬織津姫命ではないでしょうか?
滝之社の祭神は、牛頭天王の妻・清滝権現かも?

※津島神社を守護する神宮寺は、元漫画家アシスタントの副住職による迫力あるご朱印状で有名な牛玉山観音寺です。(TVで紹介されたこともあって、人気大爆発で、連日、大行列が出来たため、現在は完全予約制です。ただ、書置き版は予約なしでいつ行ってもあります。)

・『開運戦隊ゴシュインジァー』「牛玉山観音寺」
https://jinja-gosyuin.com/goouzankannonji-gosyuin/

★「牛玉山観音寺」公式
https://www.kannonji81.com/
牛玉山観音寺(Goouzan Kannon-ji)@kannonji81
https://www.youtube.com/channel/UCULWyFisV3cab0X2XMFBEDw

※以上、津島神社の縁起の類を読まずに書いています。いずれ縁起を読んで書き直したいと思います。

★参考記事:『郷土誌かすがい』(第54号)
「伝承による尾張古代考4 尾張の天王信仰」
https://www.city.kasugai.lg.jp/shimin/bunka/bunkazai/1023948/kyodoshikasugai/1004429/kyodoshi56.html

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