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浜名湖周辺文学碑巡り(3)「瀬戸夜雨」「五山晩鐘」

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「瀬戸夜雨」

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 さゞ波や東風にたゞよふ島一つ 菅沼夢渓
 水鳥の川わかれては夕日さす 百合山羽公
 原人の歯牙凍蝶となりにけり 百合山羽公
 きのふけふあしたへ桜々かな 井村経郷

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 花散らふこの向つ峯の乎那の峯の洲につくまで君が齢もがも 『万葉集』
 遠江白羽の磯と贄の浦とあひてしあらば言も通はむ 『万葉集』

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 蜜柑山の上の上なる山もみかん 久米正雄

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 遠つあふみ井の花の湖は夜もひるも
           うなてりすなりほがらかにして  田辺友三郎

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 藺を干してこの村にわがみよりあり 富安風生
 布団からあたまだけ出す初日かな 大町桂月

「五山晩鐘」

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 君が代を絶えせず照らせ五十鈴川われは水屑と沈み果つとも 宗良親王

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 水無月の落葉とゝめす神います 水原秋櫻子

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 奥山のしろがねの気が堂塔をあまねくとざす朝ぼらけかな 与謝野晶子
 昏鐘や一打一打に散る銀杏 有馬朗人
 霧深く山の入り江は海に似て波かと聞けば松風の音 無文元選
 見しあきにいろこそまされもみじばの
           うつろうかたやなをしぐらむ 後醍醐天皇

 涼しさや休む風越富士をみて 清水善慶
 さわさわとのむで月日ををくりけり 清水善慶

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 掘り出した瓦塔のあとや散り松葉 菅沼夢渓

 松ひと木照る日をよそに風薫る 清水善慶
 両国のさかゐひらきし宇利峠 清水善慶
 掘りあてゝ勝手にちかき清水かな 松島十湖
 往来する道を養ふ清水かな 畔石

 牛馬もこゝを忘れぬ清水かな 松島十湖
 美しくそこまで見へし清水かな 空水

 世の中に箒あてばやすゝはらひ 松島十湖

 かはるがはる覗く童や夏座敷 大谷句仏

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 何事もかゝる浮世か月の雲 松島十湖

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 目に耳にみちわたりけり寺の秋 松島十湖

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 きじ啼くや己がすむ野に餘る聲 山静

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 御佛の光あまねき岩山に長く楽しむ寺のさかえを 笑花
 風雨を首尾よく避けて今年米 笑花
 住みあかぬ世を暇して行く秋のおちつく先を至極楽しむ 笑花

 引佐江やわき眼もふらすかへる雁 春休
 ほととぎすなきしは夢かうつつかと
            聞きもさためすあくる夜半かな 山村與市

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 あさゆうに鐘の響を聞くたびに黄金地とはどこぞとおもふ 山田無文

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 わがこころ月にいだかれ月をいだき
              秋はそぞろに冴えわたるかも 山田無文

【文学碑撮影の難しさ③】


・逆光だと暗い。(文字が読めない!)
・フラッシュライトを当てると、文字は読めるが、てかって不自然。
・鏡面にカメラを構える自分が映る。(正面から撮れない!)
・・・

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 ──石は濡れると綺麗

 上の写真は、井伊谷宮の「句碑の庭」にある松島十湖の句碑の写真であるが、左の雨で濡れた写真と、右の普段の写真では別の句碑に見える。

 文学碑に限らず、石碑を撮りに行くと、鳥の糞が付いていたり、草が生い茂って碑文を隠していることがある。撮影に行くときは、水(2㍑のペットボトル)と鎌を持っていって、綺麗にしてから撮るのがいい?

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