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津島神社の歴史

・蘇民社:素盞鳴尊来臨の時、此所にて老嫗神託を蒙りしゆゑ社を建つ。
 ・蘇民祭:1月4日、姥が森にて柿の木の枝を折り、立て符の串を作る。
      別称「焼餅祭」。
 ・和御魂社例祭:1月4日~7日。茅ノ輪くぐり。
・居森社:天王、始て来臨し給ふ時、神船を高津の湊の森に寄せ奉りけるに、蘇民が裔孫なりといへる老女、霊鳩の託によりて森の中に居ゑ奉りければ、里民参拝して森に居給へりといひける故、今社号となりたる。

?    蘇民将来、来臨し、姥が森に「蘇民社」を建て給ふ。
540年 牛頭天王、対馬より来臨し、居森に「居森社」を建て給ふ。
948年 村上天皇の勅命を奉て、柏森に「柏宮」を建て給ふ。
1346年7月13日 夢相ありて堀田正泰、左太彦宮(弥五郎殿)を建て給ふ。
1370年1月25日 正一位を授けられ、「日本惣社」と号す。
1381年冬    亀山天皇の勅命を奉て、大橋定省、今の宮地に本殿を造営す。
・織田信長が建物を朱塗りにし、神紋に織田木瓜の使用を許可
・楼門を豊臣秀吉が寄進
・南門を豊臣秀頼が寄進
・本殿を徳川家康の4男・松平忠吉の妻・政子が寄進

◆来たのは、蘇民将来か? 牛頭天王か? 素盞鳴尊か?
◆来た場所は、姥が森(愛西市町方町)か? 居森(津島市神明町)か?

 津島神社では、創建以来、御祭神である建速須佐之男命を祀ってきた神社「元津島」をすべて残している。(蘇民社、居森社、柏宮の御祭神・建速須佐之男命は今は本殿の御祭神であるので、ダブらせないのが普通。)

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 元は蘇民将来を祀る「蘇民社」と称され、姥が森(現海部郡佐織町町方新田)に鎮座されていたのを瑞垣内に移したと伝う。
 正月四日に祭礼を斎行し、本社拝殿前に「茅の輪」を立て一年の無病息災を願い輪くぐりを行う。
 明治維新までは社領地の姥が森「姥社」に祭礼後「蘇民社」にお供された焼き団子をお供えしていた。
「姥社」は、古伝に「素戔嗚尊来臨の時、此所にて老嫗神託を蒙りしゆゑ社を建つ」とあり、昔此の所に岩窟があり、蘇民将来の末裔が住んでいたとも伝わる。

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 社伝によると、欽明天皇元年(540)に大神がこの地に始めて来臨され、神船を高津の湊の森に寄せて奉ると、蘇民将来の末裔と云う老女が、霊鳩の詫によって森の中に居え奉った事により「居森社」と云われる。

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 天平元年(757)神託により須佐之男命を居森の地より此処に移したと伝えられ、社の後に古柏樹一株が生えていたところよりこの名がある。
 元は柏宮・柏社と云う。

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御祭神武内宿禰公の末裔堀田弥五郎正泰が正平元年(西暦1346年)造替した縁故を以て社名としたと伝える。堀田弥五郎は南朝方の忠臣で正平3年楠正行公に従い四条畷に於いて戦死した勇将である。正泰公が当社の宝物として寄進した伯耆国の名工大原真守作の大刀は現在神社に持伝え、重要文化財に指定され、なお社前の石燈篭は津島市文化財に指定されている。

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 慶長十年(西暦1605年)清州城主松平忠吉公(徳川家康の四男)の健康を祈願して妻女政子の方より寄進された建物で秀麗な彫刻で飾られ桃山式建築の優秀なものとして重要文化財に指定されている。

◆大社なのに、なぜ『延喜式』に載っていないのか?

説①:『延喜式』の成立時(927年)には小社だったから。
説②:『延喜式』の成立時(927年)には別名だったから。

《尾張国海部郡の式内社》

 漆部神社  :漆部神社 (あま市甚目寺東門前)
 諸鍬神社  :諸鍬神社 (愛西市諸桑町郷城)
 國玉神社  :國玉神社 (名古屋市中川区万場)
 藤嶋神社  :藤嶋神社 (あま市七宝町秋竹柏田)
 宇太志神社 :宇太志神社(愛西市鵜多須町下中山 )
 由乃伎神社 :由乃伎神社(愛西市柚木町東田面)
 伊久波神社 :伊久波神社(稲沢市平和町下三宅郷内)
 憶感神社  :憶感神社 (津島市神守町上町)

・説①:津島神社は國玉神社
    ・國玉神社の論社① 國玉神社 (名古屋市中川区万場)
    ・國玉神社の論社② 居森社  (津島神社境内)
    ・國玉神社の論社③ 弥五郎殿社(津島神社境内)
・説②:津島神社は藤島神社か憶感神社(『張州府志』『張州雑誌』)

 私は、『延喜式』の成立時には「蘇民社」もしくは「居森社」という小社だったので、『延喜式』には載っていないのだと思ってます。(津島神社は藤の花だ咲き誇る藤浪郷にあるので、津島=藤島っぽいけど・・・藤に囲まれるって、『鬼滅の刃』みたい。)
 また、現在の津島神社の神紋は「織田木瓜」ですが、戦国時代以前は尾張国一宮・大神神社(祭神:大物主命)と同じ「三本杉」でした。津島神社が式内・國玉神社の後身社であれば、御祭神は大巳貴命(大国主命)ではなく、饒速日命(大物主命)でしょうね。

★尾張津島見聞録 別巻 「津島歴史年表」
http://www.npo-tsushima.org/books/books_003_kenbunbetu.html

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