喫茶店に行く理由


1番目の記事って何書いたらいいんだろうと悩み悩み…

新しいノート(文房具の方)買ったときっていつもこんな感じだったなぁ〜思い出す
1ページ目、2ページ目くらいまではめちゃくちゃ字も上手に書くし、見易さとか考えて書くけどそれ以降はめっちゃ適当になる感じ
でも提出用板書ノートはきっちり最初から最後まで綺麗に書いて、いつもA+とかだったよ
そういうのはちゃんとやるタイプでしたネ

noteはどっちのタイプになるんでしょうか

とりあえず書いてみます

書かなきゃなにもはじまらないので

みんなが書いてるnoteの目次みたいなやつのやり方がわからん
あのオシャレなやつやりてぇ
初心者のわたしには区切り線しかわからん…





22歳のとき、ガンになった
手術をして、抗がん剤もした
手術の後遺症で、リンパ浮腫というものになった

闘病記はまた何処かで話すかも
需要があれば

リンパ浮腫の腫れを元に戻すには、リンパドレナージュという医療マッサージを受ける必要がある
エステとかの施術にあるリンパマッサージとは違うもので、かなり専門的なもの
担当医から恵比寿のクリニック(いまは移転してる)を紹介してもらい、母と共に向かった

予約した時間まであと1時間
昼過ぎの恵比寿は、平日でもめちゃくちゃ混んでいた

夏日で日差しが強く、抗がん剤投与直後の私は体力があまり戻っておらず、早くどこかで涼みたい気持ちでいっぱいだった

駅ナカのレストランも、駅近くのカフェも混んでおり、途方に暮れていたとき
古びたビルの地下に『喫茶店』の看板がひっそりと付いていたのを見つけた
階段を降り、2つある扉の右側に『喫茶店』があった

中に入ると、カウンターの中にいたおじぃちゃまは新聞を読みながらテレビを見ていた
おばぁちゃまが『こんにちは』とニコリと笑ってくれ、席に案内してくれた
赤いベロアのソファに、ちょっと薄暗い店内
おじぃちゃまの前には使い込んだであろう茶色くなったフラスコのついた水出しコーヒーメーカーが並んであった
間違えてスナックにでも入ってしまったのかとドキドキしたが、渡されたメニューは普通の喫茶店と変わらないものだった

母はアイスコーヒー
わたしはアイスカフェオレを頼んだ

飲み物を待っている間、おばぁちゃまは、ひとくちサイズに切ったサンドウィッチとバカでけぇ湿気ったジャイアントコーンを出してくれた
千代紙で折った千羽鶴も添えてくれた

名古屋の喫茶店にいくと、サービスでいろんなモノを出してくれると聞いたことがあったけど、恵比寿の喫茶店でもこんなサービスをしてくれるのかと驚き、病院の行き来が多すぎた私は人の優しさに触れるのが久しぶりでちょっと泣きそうになった

サンドウィッチを食べていると、飲み物が運ばれてきた
おじぃちゃまがコーヒーメーカーを使う瞬間を見るのを忘れていた
既におじぃちゃまは新聞を読み始めていた

ゆっくりしたかったが、予約時間が迫っていたので、サンドウィッチとバカでけぇ湿気ったジャイアントコーンを完食し、席を立った

『なんか凄いお店だったね。また機会があったら行こう。』
母と喋りながら、クリニックに向かった


その後何度もそのクリニックに通っていたが、喫茶店にいけるタイミングがなく
次の年の暑い夏になっていた


『あの喫茶店また行ってみようか』
母とまた古いビルの階段を降りた
2つある扉の右側のお店

かつてあった看板はなくなっていて、キャバクラになっていた

たしかに、この古いビルの
階段を降りた右側の扉の店だったはずなのに

『閉店しちゃったのかな、残念だね。』
母とまた階段を登った

1年でお店が変わるなんて事はよくあること

でも、あのなんとも言えない不思議な空間の感覚が
いまだに忘れられなくて
わたしは、またあのお店のような出会いを求めているのかもしれない

それが、わたしが喫茶店に行く理由

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