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忽那の雫第120話 子供がマサかの物を万引き?恐ろしやー

ちょっと古い話になりますが、今のような釣具の大型店がまだ珍しい頃、うちの近くにも老夫婦が細々やってる小さな釣り具屋がいくつかありました。^ ^

当時はそんな、安売りで競争することもなく、それなりの品揃えとエサを置いとけば、それで夫婦二人が食べていけた時代で、釣好きのわたしなんかは、いつか自分も釣り具にかこまれた生活がしたいなと思ったものです。

その頃、わたしたちの釣りエサの主役であったゴカイや本虫は、近くの干潟へ行けば簡単に採取でき、おこずかいの少ない子なんかはエサを買わず、自分で掘ってたりしました。


わたしなんて今でも掘ってます^o^

空き缶いっぱいのエサを掘って、休みの日は早朝から大好きな釣りを一日中楽しみました。^ - ^

ある日わたしは、行きつけの釣具店へ小物を買いに行ったんです。
店の前まで来た時、店内から小学生くらいの子が出てきました。

その子はわたしと目が合ったとき、なにやら気まずそうにヘッチョを向き、わざと知らん顔をするんです。

わたしはその時、その子のズボンのポケットのあたりが濡れているのを見たのですが、そのときは何とも思わず店に入ったんです。

店内にはいつものオジサンの姿はなく、奥でご飯でも食ってるんだろうと思い、声をかけるため店の奥へと進みましたが、エサを活かしてるケースの前が濡れてるのに気づいたんです!

しかも日本ゴカイが何匹か落ちて這っているんです。
わたしはハハーンって思いました(笑)

何がハハーンかって?
さっきの子供のポケットにはたぶんゴカイが入っていたんだろうと思ったからです。^ - ^

わたしはすぐにオジサンに声かけして、ことの次第を話しました。
するとオジサンは、真っ赤な顔になり、あんのガキャー!!
またやりやがったか!っとすごく悔しそうにしてます。^o^

聞くと、もうすでに何回もゴカイを盗られているらしく、一度はポッケに入れる瞬間まで見ているらしいのです。^ ^

その子は毎回、ムササビのような速さで逃げて行くそうで、神経が太いのか、それとも無いのか、何度でも平気で来るらしい。

オジサンはその子の家や家族のことも知っているらしいのですが、親に言っても無駄で、逆ギレされるのがオチらしい。

まちがいないのは、釣りが大好きで釣りたくて釣りたくてしかたないのだろう^o^

それにしても、そんな図太い神経の持ち主でも、盗んだゴカイをズボンを濡らしてでもポッケに入れるあたりが子供らしいと、内心笑わずにはいられないわたしでした。←オジサンは笑い事じゃないぞ!(・∀・)

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