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忽那の雫第115話 恐怖の果てにイッチニッサーン!(中島メバルポイントで)

わたしはその日弟を誘い、瀬戸内の島へメバルを釣りに来ていました。
夜の大物メバルを狙うため、二人は別々にポイントを決め、それぞれ静かにみっちりと探る作戦です。

仕掛けは胴付き3本ばりの細仕掛けで、エサに日本ゴカイを付け、底すれすれを引いてメバルを誘い食わせます。

この島ではちょくちょく30センチを超す大物も出るため、仲間内では夢の島などと呼んでいます。

わたしはその日、島を一周する道路沿いのすぐワキにある、テトラポッド周辺で釣ることにしました。^ - ^

夜の9時ころ、弟はわたしをそこへおろし、自分はお気に入りの場所へと車を走らせました。^ - ^

わたしが降りたテトラ周辺は道路沿いとは言え島のこと、30分に一台くらいしか車は通らず、完全に釣りに没頭できる素晴らしい場所でした。

真っ暗闇の中、わたしは急いで仕掛けを準備しました。
この日は潮の塩梅が良かったのか、いい型のメバルが頻繁にアタックしてきて、とても満足な釣りをしてたんです。^o^

深夜の1時ころだったでしょうか、風もないテトラの上に腰掛けて、タバコに火をつけようとしたら、わたしの左耳が風音のような、こもった唸り声のようなものをキャッチしたんです。(°▽°)

わたしはハッとして息を止めましたよ。( ・∇・)

その唸り声らしきものは、わたしの顔の高さくらいの空中を左から右へとゆっくり移動したんです。
わたしは声も出ず、ライターを持ったままそこに固まり、その正体を探ろうと集中しましたよ。^ - ^

その時にわたしの脳みそがイメージしたのは、頭から血を流したお坊さんが、お経を唱えながら空中を移動している光景でした。

この瞬間、わたしは道路に駆け上がり大声で歌を歌いましたよ。
何を歌ったかって?
そんなのわかりませんよ、わけのわからない歌を作詞作曲したんだろうと思います←アンタは天才なのか?(゚∀゚)

そして携帯電話をとりだし、メモリーしているとこへ片っ端からかけまくりますが、どこへも繋がらないんです。

こ、これは霊現象にちがいない!!

このままだと、さっきの坊さんが引き返してきてやられてしまう!←あれ、イメージだったんじゃないのか?( ̄∇ ̄)

そんなふうに焦ったわたしは、とっさに道路に両手をつき、大きな声でイッチニーサーン イッチニッサーン!←意味がわからない(・∀・)

何もかも忘れようと、一人で腕立て伏せをやっちゃったんですね。(笑)

だんだん腕が疲れてきて、限界が近づいたとき、向こうの方から車のライトが見えてきたんです。

た、助かった〜っと思ったわたしは、すぐにタバコをとりだし火をつけて、防波堤に腰掛け車が来るのを待ちました。

なんとか車を止めて、腹の具合が悪いので近くの港まで乗っけてもらえないかと頼み込む作戦です←情けなや( ̄▽ ̄)

ところがその車は、わたしが何もしないうちから手前で止まりました。
ん?
見覚えのある車!
弟でした。^o^

そういえば、恒例のうどんタイム!
夜の釣りではいつも深夜の1時ころに、合流してうどんを炊いて食べるんです。

わたしは何事もなかったかのように、軽く手を上げ(実は重かったが、、)
弟と会話をかわし、うどんを率先して作りました。(°▽°)

その後は、場所を移動して二人仲良く並んで釣ったのは言うまでもありません。タハハ(^ ^)





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