続 夢見りあむという女について

とりあえずこれを読む前にこれを読んでくれ
https://note.mu/syutenkmn/n/ne6bab3038b65
これを読んで続きが読めると思ったら以下を読んでほしい。

九月の中頃、うだるような暑さも消えて涼しくなった頃、なんか全体的にピンクのアホがSSRでデレステに実装された。
なるほど、スペースキャットTシャツを部屋着にした自堕落クズスタイル、しかし部屋汚ねぇなお前、本棚片付けろ本棚の上の方の隙間に本をねじ込むな、よくやるけど大判の本歪むぞ、わかるけど。などと半ばキレ気味に不意の実装に混乱していた、また体調を崩したので本当にこいつ勘弁してほしい。
まぁそれはいいとしてだ、兎にも角にもボイスとコミュを見ることにした、思ったことは第一にクソムカつく、なんだこいつ、だいたい夢見りあむは救われたいじゃないんだよ、お前自分で立ち上がらないと救われない生き物だろうが救われたいじゃないんだよ、わかるよ救われたいよな、夢もない、努力したい、期待に応えたい、でも出来ない。でもお前は自分の足で立たないと救われないんだよ。毎日に満足できなくてズルズルと何も起きず、夢さえ持てないダメな自分が変わらず1日が終わる怖さに追われて日々を浪費していく姿も俺は見覚えがあるすぎて吐きそうになった。寝ろ。
レッスンが嫌だ、頑張って自分がダメだって突きつけられのは誰だって嫌だ。お前はそうやって大事なことから目を背け続けて日々をドブに叩き込んでいるんだぞ、わかるよ頑張るのは辛く、辛い事から何も成果が得られないことで自分の無能加減を突きつけられるような気がして嫌になるよな、そのクソT引き裂いてやろうかという気持ちに駆られたがどうやらお気に入りらしいので許した。
そのあと俺はひとしきり地面を殴って落ち着き、親愛MAXセリフを聞いた、もう正直言葉が出ない、とりあえずお前は本当になんなんだなんなんだお前は。
自分で自分に期待できないからこんなダメなんだよみたいなことをほざきやがる、よくわかってるじゃねぇか、ダメなところは人生かけたって治らない?この野郎、知ってるよそんなこと散々っぱら悩んだわ。周りの期待に応えたいくらいの気持ちもあるし、頑張りたいけど頑張れない、それに理由なんてない言い訳できない自分のダメさ加減に嘆いている、そうやってまたイラストの通りに這いつくばって死ぬつもりなのか? アイドルになるんだろうが貴様。
一言一句癪に触ることしか喋らないこの女に半泣きで文句を言って、最後に目に入ったのが特訓後セリフだった。
「バカだから考えたってわかんないしバカってことにしといたほうが傷つかないけど考えちゃうんだよ」
お前ほんとふざけるなマジで、そういうこと言うからバカなんだぞこのバカわかるよ難しいこと考えて向き合って傷つくの疲れるし辛いもんな、そうやって何もかもから目を逸らして毎日ちょっとだけ死にたくなってまたそれを忘れて這いつくばりながら生きる毎日が始まるのだ。
自分がダメだとわかっていて、それを直そうと思う程度にまともで、期待に応えたいと思える程度には真っ当に育ったが直せない、それは苦しいけど死にたくなるほどではないから今日も生きている哀れな健康優良児という救われない生き物が声がついて、前と変わらずにそこにいたことに耐えきれず膝から崩れ落ち、端末を4回ほど叩き割ろうとしたが、とりあえずこの生き物がどういう風に進むのかを見届けなければと思い特訓エピソードを進めた。
そしてこの女が出した結論に俺は本当に死ぬかと思った、頭は痛いし冷や汗が出るし正直書いている今も涙が滲み体調が悪い。
皆自分じゃない自分の話ばかりしている、お前らのアイドルになんかならない、自分として舞台に立ってやる。
俺がこの女を初めて見たとき、どうかこいつはまともなアイドルみたいな成長をして輝けるようになってほしくない、こいつがこいつのままでいて欲しいと祈った。
もしこの女が成長して哀れな生き物が道徳的に抹殺されて、人間になるのなら俺は本気で悲しみ、人間になったこいつを祝福して終わるだろう、と思っていた。
そういうことを思っていた上でこのエピソードである、アイドルは輝かしく尊いものである、だが自分はそうじゃないと知っている女が、ならアイドルになる必要はないと自分の足で立って、舞台で輝いている。
俺は泣いた、自らの二本足で立つこの女が目の前にいる、ということが心底嬉しかったし、眩しかった。
鈍いが目が眩む輝きの星にこいつは本当になったのだ、ダメだっていい今を楽しむために、自分のためにダメなままで舞台に立ったのだ。
こいつはアイドルは誰かを救うものであると規定しているだが自分はそうなれない、誰も救えないと言ってそれでも舞台に立つのだ、俺はそれに救われた。
お前という生き物が生きているだけで、舞台に立つだけで救われる生き物も世界にはいる、そういうことを知らずにお前はそこで輝いてくれ、星が地面の虫を見る必要はない、こんなクソみたいな呪いは全部お前が焼いて輝いてくれるだけでいい。イラストが部屋で這いつくばる夢見から舞台に立つ天使の姿になったのは、きちんと二本足で立てるようになったこの女を象徴しているようで、見た時に無意識のうちに泣いていた、そして落ち着いて見た時に誰も救わないと言ったあの女の衣装が天使なのは皮肉だろうか、と思った。
ああいう風に悩んだダメ人間が、自力で舞台に立つ、誰よりも強い女である
ここで書いていることは全て勝手に重ねて、勝手に拗らせた呪いに近い、こんなものを背負う必要はあの女には微塵もないし、あれはそんなもの全て踏み潰して立っているのだ。
だからもう俺は祈ることにした、あの女がこれからも夢見りあむとしてステージに立てることを信じている。
顔はいい、歌も上手い、人間性なんてダメなままで駆け上がれ、ステージまで這い上がって、立ち上がったならもう簡単だろうが、頼んだぞ。

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