Unus Sufficit Orbis.
隙間風のせいか、あるいは寝床が変わったせいだろうか、今朝は久々に早起きだった。
「ん、おはよ~」
どこか猫を彷彿とさせる伸びをしてまどろんだ眼であたりを見まわす。シュウスイちゃんも段々と昨夜のことを思い出してきたようで、少しはねた髪を撫でつつ、こちらを振り返る。朝からこんなにも笑顔でいられるのは、彼女の他に存在しないのでは。
ここは物置として今は長らく使われていなかった小屋。
昨晩、僕はついに社会から逃避行することに決め、遺書をのこして自宅を去った。この世を去る決心