マガジンのカバー画像

絵画解説シリーズ・美術関連noteまとめ

12
絵画解説や、テーマが特に美術(作品)に関連するnoteをまとめております。
運営しているクリエイター

#歴史

無憂宮の調べ、大王の音楽

 前々から欲しかったクラシック音楽のCDを購入した。「フルート協奏曲、シンフォニア集」。誰の曲かというと、フリードリヒ大王である。    ドイツ好き、世界史をよく学ばれた方であれば、その名に聞き覚えがあると思われる。  プロイセン王、フリードリヒ2世。  哲学者として名高いイマヌエル・カントは『啓蒙とは何か』において、啓蒙思想の盛んであった彼の統治時代を“フリードリヒの世紀”として讃えたことでも知られるように、フリードリヒ大王はその軍事的才によって強国たらしめただけでなく、

絵画解説:「The young Napoleon Bonaparte studying」

 絵画の語り口として、大きく分けて二つあると僕は思う。  一つはその絵画を描いた作者について。当人が有名であればあるほど、紙面上で絵画自体の特徴に触れる余地が減っていく。  もう一方は、描かれた題材(景色・テーマ・人物)が有名な場合。この場合だと、むしろ描いた作者があまり知られていない事が多々ある。  さて、今回扱う絵画はこの後者―――すなわち題材が有名で、作者が日本では無名―――に該当するのだが、それでもなかなか特殊なケースであることを前もって言っておきたい。    今回

初めての模擬刀購入「歌仙兼定」

 きっとその日僕が竹光を買ったのは、起きてすぐに、山田五郎が時計について造詣深く語っている動画を見たことで、僕のコレクター魂が刺激されたからに違いない。 「竹光」:竹(樫)を削ったものを刀身にして刀のように見せかけたもの。 「模造刀」:「銃砲刀剣類所持等取締法施行規則」第17条の4に規定する「刀又はあいくちに著しく類似する形態を有するもの」。 「模擬刀」:日本刀の模造品。  以前、僕はドイツ軍用拳銃モーゼルC96のモデルガンを買ったとnoteに書いた。5万円弱と、なか