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学園祭、若者、お酒離れとイノベーション

「若者は未来だ」
この言葉に疑問を持つ人は多くはないだろう。若者の文化から若者が作り出す文化から未来の社会で流行るものが想像できたりするから面白い。

昨今、お酒を飲めない若者が増えている。飲み会の席でも半分ぐらいはオレンジジュースとか、烏龍茶を頼んでいるような感覚。おじさんたちはとても良く飲むのだけれど。聞いた話だが、東京ではノン・アルコールの専門店までが出いていて、それが人気らしい。なんでも、ソフトドリンクでは料理に合わないから、ノン・アルコールドリンクを提供しているそう。一度行ってみたい。

ボクが大学生だった頃(2000年代)は、丁度過渡期に差し掛かっていたようにおもう。激しい飲み会がどんどんと姿を消していった時期だった。1年生の頃は、コールの嵐で、飲みつぶれたらよく鴨川で寝ていたものだ。(飲みすぎて、ゲロを吐きながら先輩たちが怖くて、自分で掃除したこともあったり。飲みが怖すぎて、逃げ出したこともあった。捜索届出されていて大騒ぎになったり。)それが、どの店でもコールが禁止になり、お酒を無理に飲ませないようになった。アルハラという言葉が流行りだしたのもこのあたりの時代からだ。

先日学園祭に行ってきた。京都市立芸大だ。あと数年後には移転が決まっている大学。芸術大学の学園祭は面白い。どこか、社会の風刺やこれからの社会の豊かさの価値観のヒントが転がっている。単管(建築現場で使われている足場材)を巧みに組み合わせてその日限の店があるのが面白い。着物を来ている子も多く、着物に、メイドカフェの定員さんのようなエプロンをつけているのも新しかった。出していたお店で面白かったのは、柿や長芋、りんごなどで創ったキムチの専門店。おしゃれだ。(勾配があって、机を地面と平行にしていることで、上の方は子ども用、下の方は大人用になっているらしい)

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いろいろと話を聞いていると、前とは違いアルコールが禁止されているそうだ。20時にはどの露店も営業終了し、20時30分までには完全下校とのこと。(前はアルコールはもちろんOKだったし、夜通しで行われていたのが芸大の学園祭だった)学生は、やはり面白い。アルコール禁止に解禁の嘆願書を書きながら、アルコール禁止という制約条件の中でイノベーションを起こしていた。それが、ノン・アルコールドリンクだ。制約条件があるからこそ、そこの制約条件に抗いながら新たな価値を創造していた。ノンアルコールドリンクに面白さを見出し、面白さを価値へ昇華していく。ノン・アルコールドリンクの文化が産まれる瞬間なのだろう。

アルコールに触れることなく、それどころかノン・アルコールでの面白さを見出し大学を卒業した若者は、アルコールから離れるだろう。むしろ、アルコールという文化がないからそれは必然かもしれない。

石鹸がない地域に石鹸を売ろうと思えば、手を洗うことを教えるという言葉がある。手を洗う=文化だ。文化があるからこそ、品物が必要になる。文化が損なわれるのであれば、これから益々アルコールは飲まれないのだろう。お酒を禁止にすることが、今後影響になるのかも含めて長期的時間的視野をもち考えていきたいところだ。

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