シャロンについて

【Vo.KANARIA】
2023年、新緑の折。
大切な友達の訃報は、そんな梅雨に片足を突っ込んだ季節に届いた。
数日前まで彼は、今度は東京に引っ越すと言っていたのに。
その報せに私は一人で何度も「嘘だ」と繰り返した。
今日に至ってもまだ、別府に行けば人懐っこい笑顔の彼に会える気がしてならない。
それでも彼が星になったというなら、この夏はThe Birthdayの「なぜか今日は」をやろうか。
そうバンドで準備を進めていたものの、なんだかんだで頓挫してしまい。
じゃあ冬にROSSOの「シャロン」をやろうと決めて、12月のスタジオの予約を入れた。

チバユウスケが惑星に旅立ったという報せに、手が止まったのはその4日後。
わけがわからなかった。昼ご飯を食べ始めてスマホを開いた私の手は止まったまま。
文字通り食事が喉を通らない。
こんなこと本当にあるんだと、それさえどこか他人事だった。
もう二度とBirthdayの新譜が出ることは無い、そう言われてもピンとこない。

言えることがあるとしたら、伝説なんかになって欲しくなかった。
大好きな人が早過ぎる死によって「伝説」なんて雑な枠で崇められるなんてたまったもんじゃない。
生きた脅威としていつまでもそばにいて欲しかった。
新譜が出るたびに悔しくてハンカチを噛むほど、カッコいい音楽をいつまでも聴かせて欲しかった。

私たちはいつまでも12月25日が来るたびにシャロンを聴くし、鳴らすんだろう。
その上で、私は彼らが書けなかった分まで、曲を書いて音を鳴らすことができる。
空の向こうで、早々に旅立ったことを悔しがるような、そういう音を出そうと決めている。
幸い私には、しぶとく生きてついてきてくれるであろう、冬の星に生まれた3人がいるから。

【Gt.Yo-hey】
おひさしぶりです
皆様 どうお過ごしでしょうか
シュレディンガーの嘘
ギターのYo-heyです。

今回のシュレディンガー軽音部は、
ROSSOのシャロンです。
間違い無く、自分が人生で1番
バンドで合わせた楽曲になりますね。
そして少しだけ、
思い出の話しをさせて下さい。

それは自分がまだ
ロックンロールを知らなかった学生時代

髪はモジャモジャで
ライダースを着て
真っ黒なグレッチをかき鳴らす
無駄に声のデカい
サークルの先輩に誘われて始めた
コピーバンドは、
自分が初めてロックンロールに出会った
その瞬間でした。

コピーしたバンドの名前は"ROSSO"

"バンドは気合い"と言う先輩の持論にて、
ライブ前はメンバー全員が
納得できるまで音を合わせて
納得した上で本番を迎える
そんな日々を過ごしていました。

月日は流れて
その先輩が卒業する日

"卒業したら弾かないからさ
グレッチ 貸してやるよ"

そんな事を言われて、
シュレディンガーの嘘 最初期の頃は
その真っ黒なグレッチを
かき鳴らしていました。
あの先輩 元気してるなかって、
今でも時々 思い出します。

自分にとってROSSOのシャロンは
そんな楽曲です。
爆音で聞いてください、よろしくどうぞ。

【Ba.Kuno】
こんにちは、お久しぶりですKUNOです。
私はお久しぶりの間に色々ありましたが、皆さんは元気でしょうか?

今回の軽音部企画は「シャロン」、この時期になるとバンドマンがこぞってコピーする伝統芸能みたいな名曲ですね。

チバユウスケ曰く「骨になってもハートは残るぜ」なので、これからもずっとこの時期になると聴くんでしょう、コピーするんでしょう。

それだけ大きなものをイヤフォン越しのがなり声から貰った気がします。

シュレディンガーの嘘というバンドや、私という人間も誰かにとってのそれになれたらいいなぁと無事(?)三十路を迎えた心と体で思うわけです。

生前から鬼籍に入った今に至るまで、何処かしらで必ずチバユウスケの音楽へのリスペクトが私の表現には息付いています。

それはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTだったりRossoだったり、Midnight Bankrobbersだったり、The Birthdayだったり枚挙に遑がありません。

これから先忘れようが忘れまいが、私はもうチバユウスケという人間の影響無しには楽器が持てず、歌も歌えないと思います。

残念ながら、現世ではついに観る事も会う事も叶いませんでした。この悔いは自分も冬の星になったり、太陽をつかんでしまうその時の楽しみにとっておきたいと思います。

【Dr.Akaida】

メリークリスマース!!!!!

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