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改めて、注目のニューシュウマイレポート:焼売点賛(東京・神田)

すでにこのnote内で速報イメージ記事だけはアップしましたが、本年末に向けて動き出した新シュウマイビッグプロジェクト?を中心にバタバタしており、本レポートアップをせずに、半月が経とうとしております…せっかくオープン前(7月16日)に取材させていただいたにもかかわらず、関係者のみなさま、申し訳ありまシュウマイ、です…

その反省の気持ちも込めて、改めて今年7月26日、毎月26日の「シュウマイの日」にあわせて東京・神田にオープンした、シュウマイ専門店「焼売点賛(シュウマイテンザン)」についてレポートさせていただきます。

朝シュウマイが食べられる希少な都市部の専門店

「焼売点賛」は、JR神田駅西口を出てすぐ、ヴィヴィッドな黄色い看板と壁、そこに輝くモダンな店名が目印です。

神田周辺は、秋葉原、御徒町、神保町、日本橋の方まで足を伸ばせばシュウマイ名店が点在していますが、神田駅近辺は実はそれほど多くありません。駅近ということも含めて、ここが神田のシュウマイ新拠点となり、シュウマイ名店が増えてくれることを願います。

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「点賛(てんざん)」とは、中国語で「いいね!」という意味にあたり、お客様にシュウマイを食べて「いいね」と感じてもらえる店を目指したいという思いが込められているそうです。

シュウマニストを代表して、この店の最大の「いいね!」ポイントは、「朝シュウマイ」が食べられることです。

近年、こちらの店に限らず、全国的にシュウマイ専門店が続々オープンしているわけですが(2020年時点まではnoteにまとめましたが、2021年に入ってもさらに増えているので、後日改めてまとめたいです)、ほとんどが「シュウマイ酒場」という「夜シュウマイ」スタイル。しかし「焼売点賛」はあえて「朝シュウマイ」を提案しています。

実は「朝シュウマイ」ができる飲食店は、私が記憶している限りでも、横浜中華街の一部のお店のみ。それを都市部の駅近で提供する「焼売点賛」は、躍進著しい?今日のシュウマイ界においても、極めて貴重な存在と言えます。

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「朝シュウマイ」のセットには、シュウマイとご飯、スープが味わえる「朝焼売定食」もありますが、私が注目したのは「朝粥定食」。先に触れた、数少ない横浜中華街での「朝シュウマイ」ができるお店とは、おかゆの名店としても知られる「安記」「謝甜記」のことです。少し遅めの朝におかゆを食べつつ、シュウマイを中心とした点心をつつく…というのは、実は横浜中華街の隠れた楽しみ方のひとつ。その楽しみをわざわざ中華街に行かなくてもできる贅沢も、「焼売点賛」にはあるのです。

もちろん、こちらの2店のシュウマイ、素晴らしいです。ぜひお試しを。

さて本題に戻り、こちらの「朝粥定食」の内容は、基本の肉シュウマイ「点賛焼売」2個と玉子がゆ、副菜9種、お茶がついて490円。シュウマイそのものについては後ほど記すとして、これだけのラインナップでこの金額自体、都心部駅近モーニングとしては破格。ちょっとやりすぎ?しかもおかゆも、副菜も、ひとつひとつ丁寧なお仕事で上品なお味。東京にはレベルの高いモーニングがひしめきますが、コスパ的にもかなりハイレベルな内容だと思われます。

また、「あんかけ粥」(490円)というメニューもあり、すこしとろみがゆるい五目あんを、サッパリの玉子がゆにかけると、じんわりとやさしい旨みが、より輪郭あるくっきりとした旨みに。単品だとシュウマイはつきませんが、追加することもでき、その五目あんをシュウマイにつけると…また絶妙に合うんです。そのシュウマリアージュについても、後述。

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お店で手包み、じんわりやわらか系を主軸に多彩なシュウマイを用意

いよいよ肝心の主役であるこの店の肉シュウマイ「点賛焼売」ですが、「朝シュウマイ」のことも想定してか、昨今の肉肉しいスタイルとは一線を隠す、じんわりと旨みが広がるやわらか系です。

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ひとつひとつ手包で作るシュウマイは、皮も薄め、大きさも小ぶりで女性でも一口で食べられるサイズ。さらに朝でも、女性でも食べやすいようにしてあるためか、豚肉の旨みやジューシー感は生かしつつ、食感は柔らかめに仕上げ、刻み生姜を混ぜ込みあっさりとした後味に。こういうシュウマイは、作りたくてもなかなかできないものです。

お酒が飲めないのであくまで想像ですが、ビールももちろん合うけれど、むしろ紹興酒のソーダ割りなどが、じんわりな旨みと程よくマッチしそうな気がします。

「点賛焼売」以外には、干しエビの旨味が加わった「えび焼売」(上写真左下)、唐辛子がささり中身にも唐辛子が練り込まれ、私の記憶では最も辛味が強いであろう「辛焼売」(上写真上)、細かく刻んだチーズが乗った「チーズ焼売」があります。

特にチーズは、刻まれたチーズがほどよく溶けたところで口に運ぶと、蒸した豚肉とチーズとの旨味マリアージュが口中に広がり、チーズの香りが嗅覚を心地よくくすぐります。チーズそのものがまたまろやかで美味しいので、赤ワインでも合いそうです。

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ちなみに「えび」「辛」「チーズ」のシュウマイのボディ(本体)は、基本の「点賛焼売」とは異なる、いわゆるベーシックな肉肉しい豚シュウマイをあえて使っています。

今回特別に、ボディを単体でいただいたのですが、これまたいい味!「点賛焼売」の別バージョンとしてこちらも出すようにお願いしましたが……実現してほしいです。

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神戸の名店のシュウマイと中華の味を再現

さて、モーニングとシュウマイ単品以外のメニューはというと、坦々麺、あんかけ焼きそば、魯肉飯(ルーローハン)など、ランチに適した食事として楽しめる中華料理が中心で、シュウマイを追加して「焼売定食」にもすることができます。

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最近流行りの坦々麺も、辛いのが苦手な私でもちょうどいいウマ辛な感じで、麺もストレートで好きな感じでしたが、より私が「いいね=点賛」と思ったのは、あんかけ焼きそばです。

もともと私は、中華料理店でシュウマイと一緒に注文するメニューとして、「あんかけ焼きそば」をお勧めしています。理由は、シュウマイ単体だと野菜不足になりがちなので、野菜が取れること(お腹周りが気になる四十過ぎのおっさんなりの気配り)、そして先の朝がゆにつく「あん」をつけて食べるように、味変ができることです。

前出のように、こちらのお店の「あん」はゆるめであっさり。そして焼きそばの麺がまた、しっかりとした噛みごたえがあり味わいもある、いわゆる古き良き中華料理店などで見かけるクラシック系の中華麺でした。そしてこの両者が合わさることで、抜群の美味しさが生まれます。このあんかけ焼きそばもまた、こちらの看板メニューと言ってもいいと、シュウマイ専門家のくせに、断言したいです。

このあんかけ焼きそば、そしてシュウマイそのものには、「焼売点賛」業態開発の責任者である園田泰之さん(下写真左)の熱い思いが込められていました。

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実はこちらのお店は、カフェチェーンで知られる「サンマルクグループ」の新業態。かつて神戸中華街の中華料理店(現在は閉店)で勤めていた園田さんは、そこで出していたシュウマイと中華の味を再現したいと、同グループの新業態募集に応募し、見事採用。つまり、ここのお店の料理の数々と、看板メニューのシュウマイには、神戸の老舗中華の味が込められているのです。

まずは「朝シュウマイ」でその味と込められた想いを体験して欲しいです。一方で、水面下ではコロナが落ち着いたことも想定して、お酒のメニュー開発も進めているとのこと。私もあくまで憶測で各シュウマイに合うお酒を予想しましたが、やはり実際食べて飲んでみて確かめたいところです。

カフェ業態をメインとしたサンマルクグループですから、「朝シュウマイ」につく中国茶にもただならぬこだわりがあるそう。そしてそれに負けずにお酒にもこだわりたいと、園田さんは言います。1日も早くお酒とシュウマリアージュを楽しめる日が来ることを、楽しみに待ちたいと思います。

「焼売点賛」基本情報


最後に、「焼売点賛」さん、今年3月に行った「シュウマイファンディング」にも協賛いただき、そのリターン品の「焼売繁昌」タペストリーを店内に飾っていただいています(多分)。私シュウマイ潤も、日本シュウマイ協会も、「朝シュウマイ」および神田のシュウマイ新拠点として、今後も応援していきま、シュウマイ〜


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