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尾崎美紀という自己肯定感低め女は「理解ある彼くん」マクファーを選んだ

バチェロレッテ2を見た。最終話のローズセレモニー。初代バチェロレッテ萌子エンディングが胸をよぎる。そんな心配もせずとも、ひとりの男性を決断し、新たな生活をはじめようとする美紀さん。おめでとう!よかったね!幸せにね!



ここから先は最終話のネタバレが入ります。
誰を選んだのか知りたくない人はBACKしてくださいね。




メンヘラの私は思った。
マクファーは素晴らしい理解のある彼くんムーブをやってのけた。
首尾一貫して、この旅は「理解ある彼くんを探す旅」だった

会社を経営していて経済力がある美紀さんにとって、「理解ある彼くん」とは、「自分の方が年収が高いことを『理解』してくれる男性」
「家庭的な面がないことを『理解』してくれる男性」
「自己肯定感が低いことを『理解』し、常に肯定してくれる男性」なのだろう。

そこまでした『理解』が必要なほど、美紀さんは現代日本にとって異物であり、孤独を耐え忍んできたんだと思う。

ゼロから会社を興して成功し、そのうえ若さと美貌を持っている女性は目の敵にされやすい。
実際に、バチェロレッテがはじまるまえからネットでは「整形」をいじられ、Amazonで欲しいものリストを出せば「乞食」だといわれ、世界的なビジネス雑誌でランキング入りすれば「パパ活」だと決めつけられていた。
この日本で「「可愛くて頭がよくて商才がある女子」」という存在はまだメジャーではないのだ。
仕事をはじめてからずっと、美紀さんはこの悪意の目にさらされてきたのだろう。
だから、鎧を着たのでないか。

そして、彼女に足りない物は「攻撃力」だっだと思う。
美紀さんは悪意に対して回避する傾向がある。Twitterでアンチコメントが来たらアカウントを削除するし。
それはバチェロレッテでも顕著だった。
少しでもナメた口を聞いてきたら、その場では笑って場を繕うが、ローズセレモニーで容赦無く落とす。

萌子さんと美紀さんの比較した感想をよく見る。
インターネットの人にとって、同じ金持ちでも、萌子さんのように実家の資本を食い潰して生きてるお嬢様というのはまだ理解できるタイプだったのか、萌子さんを評価する声が大きかった。
元祖バチェロレッテは女王様のような論破が魅力だった。しかし美紀さんのアプローチは逆だ。「自分と合わない人は語り合っても分からないからスルーしよう」というしなやかな対人関係である。失礼なことをいった佐藤駿に対しても、その場では笑顔なのは、女社長ならではの処世術だと思う
萌子さんとの立ち振る舞いの違いは、産まれたときから金持ちか、会社経営者かの違いだと思う。
(ちなみに、ネットでは、萌子さんの方が頭の良さを感じるという意見も散見できるが、実をいうと美紀さんの方が出身大学の偏差値が高い。萌子さんは2on1で決断できなかったり、ファイナルローズ前日の行動など「?」な行動もあったが、美紀さんは経営者らしい決断力があった)

マクファーも、現代日本にとって異物であるのだ。
マクファーは生い立ちからして、混血がルーツだったり、自己主張が強かったり、周囲と馴染めずに生きてきた。その分、日本的な男女観が染み付いてない。自立した母親のもとで育ち、自身も一人暮らしをするほど生活力も高い。先進的な女性を支える準備はできている気がする。
その負けん気の強さから「モラハラしそう」と一瞬思ったが、マクファーはずっと美紀さんに忠実だったし、美紀さんを軽んじることも一度もなかったし、美紀さんがあくまで主体で、自分はその添え物であるということをわきまえていた。これがバチェロレッテが望んでいた主従関係だと思う。
きっとマクファーはなんでも「美紀に任せるよ」というタイプだ。これこそが理解のある彼くんで一番大切なことだ。きっと、人によって主体性がないように思われるが、決断力のある美紀さんにとってはありがたい存在だと思う。

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むしろ彼女の軽口を叩いていたのは長谷川さんの方で、「すーぐカロリーとる」「まさかおにぎり作るの?」「いやレベル0だから」と笑ってイジる姿は全部モラハラの前兆のようにも見えた。
長谷川さんが生まれ育った家は新潟の家父長制そのもののような家だったし、彼は常に美紀さんのことを「バチェロレッテ」としてではなく「年下の運動が苦手な女の子」として扱っていた。(美紀さんの母親に挨拶したときも、「パーソナルコーチをして美紀さんを支えたい」というようなそぶりが見えたが、仕事をしている美紀さんにとっては経済力よりも家庭力の方が重視されるだろう)

よく、創作物でも戦う女性キャラって
「強いようにみせて実は守ってもらいたい女子のキャラ」とか
「結局男性ヒーローに守られるキャラ」みたいなのが作られやすいが、
美紀さんは「ただ単に強くて能力が高い女」なのである。
旧世代的な思想を持つひとには考えが追いつかない、ニュータイプの登場人物なのだ。

だから、彼女がこの旅を通して固執しているのは、王子様ではなく、自分がこれからも会社経営者として働くのに支えてくれる、専業主婦のような人だった。例えそれが現代日本の伝統的な価値観と真逆だったとしても。
マクファーは初対面で体調を気遣ってチョコを差し入れたり、SUPでサポーターに徹した
これは男女逆転したらわかりやすいと思うが、会社経営者だけど過去にトラウマがありビジネスマン的な振る舞いしか出来ない男性に、なにがあってもアナタの味方で居ますという粛々とした女性のカップリング。だた、それだけなのである。
美紀さんもマクファーも相手の性別や性役割をまったく気にしていない。
インタビューでも、美紀さんは男性を褒めるとき「可愛い」とよく言っていた。
澤井一希との2on1で「自分の方が年収が高いがどうするか」といったとき、澤井が養われるのを拒み、美紀さんと競うようなことをいったとき、萌子でいうチベツナ・アイになっていたことが思い出深い。

きっと、最初から惹かれていたマクファーを選ぶのはドラマがなさ過ぎて、アマゾンの編集が意図的に長谷川さんに惹かれているとミスリードを起こしていたに違いない。
かくいう私は最初からマクファー推しだった。最初から印象が良かったし、4話で美留町さんの2ショットタイム確保のために揉めた時も間違えたことは言ってなかった。(アフターローズで、実はマクファーと美留町さんが仲が良かったということが明かされたし。個人的に阿部さんが最年長というだけで兄貴という役割をを自ら背負ったのは、バイトリーダーみたいで恥ずかしかった。 ナインティナインと阿部さんのスタジオトークはホモソーシャルなノリで嫌だったなあ。番組MC変わらないかな。空気階段+ゆうこりん とかどうですか?
マクファーは最終話の家庭訪問も、美紀さんの厳しそうなお母さんにも自分のペースを崩さずに解答をしていて、セカンドキャリアについても「バスケに恩返し」みたいな曖昧なことを言わずなくて、印象がよかった。
心なしか美紀さんの目も柔らかくなっていったと思う。だから、美紀さんが何重にも鎧を身に纏うことになった「いじめ」のエピソードを話して、旅を終えたんだと思う。

旅に参加した理由は?

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好きなタイプは?

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美紀さんは最高な決断をしたと思う。
理解ある彼くんを嗅ぎつけるのに特化したメンヘラが胸を張って断言できる。
美紀さんのような人に「経済力があるから長谷川さんがよかった」とかいうのはお門違いだから、なんか言ったらぶっ潰すよ★★★  (終わり)


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