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第40回 ボーアの研究

ニールス・ボーアはプリンストン高等研究所に留まり。更にウランについての研究を深めていました。それにより、天然ウランは99.2%をしめるウラン238と0.7%のウラン235に分かれ、核分裂しやすいのは少量の方のウラン235である事が分かりました。そしてその極めて少量のウラン235を取り出すのは容易ではなく、遠心分離法などいろいろなものを試しましたが、とにかく時間がかかり、更にそれをまたかなり濃縮しなければ爆弾にならず、その作業も時間がかかりそうでした。ウラン爆弾の量産は難しく、それに対してボーアはほっとしました。

更にウランに照射する中性子には遅いものと速いものが混在していて、遅い方を照射した方が核分裂しやすいという事も分かりました。中性子を遅くさせるために減速材が求められ、最初は水を使いましたが、水は中性子を吸収してしまう傾向があったので、黒鉛、そして重水(じゅうすい)というのが適しているというのが研究で分かっていきました。
重水というのは、水の水素を重水素に置換したものですが、これも水をまず電気分解せなばならず、また手間がかかりそうで、原子爆弾開発研究は遅々としていました。(続く)

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